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私は高層ビルで宅配の仕事をしていた。 いや、厳密に言うと「していた」のだ。 その日は、冷たい風が吹きすさぶ冬の夕方。 数件目の荷物を抱え、エレベーターに乗り込んだ。 静まり返った建物の中、ただ時計の音だけが響いている。 目的のフロアに着くと、いつものようにドアを開けて廊下に出る。 ...
私は、特別な能力を持っているようだ。過去に戻ることができるのだが、その制約は一週間前に限られている。高校二年生の私は、この能力を使って日常をなんとか乗り越えようとしていた。 初めてその力に気づいたのは、冬のある寒い日のことだった。友人たちとの待ち合わせに遅れそうになり、焦っていた私は、信号待...
母が遺した古いアルバムを眺めていると、あるページに目が留まった。そこには、見知らぬ女性がうつむいて立っている写真があった。彼女は薄汚れた服を着ており、その顔はどこか不気味だった。 その時、突然、兄が倒れたという知らせが来た。彼は転んで頭を強打したらしい。急いで病院に向かう途中、僕はふとその女...
僕は、冬の夜、海辺の別荘で愛する妻と過ごしていた。彼女の愛は、理屈では理解できないほどのものであり、僕はその温もりに包まれながらも、束縛を感じていた。 「私たち、ずっとこの場所で一緒にいようね」 「うん、君とならどこでもいい」と言ったが、内心では逃げ出したい気持ちがあった。 数年の結婚生...
あれは、今から5年ほど前のこと。 秋の澄んだ夕暮れ、私たち大学生のグループはキャンプ場でのんびりと過ごしていた。周囲は静まり返り、焚き火の明かりが心地よい暖かさをもたらしていた。 友人たちが楽しそうに談笑する中、私はふと一人になり、焚き火の周りを散歩することにした。木々の間をぬって歩くと、...
若い頃から本や文学に親しんできた私は、最近、友人と一緒に古びた貸し倉庫を整理することになった。倉庫は私たちの家族が使っていたもので、懐かしい品々が詰まっていた。 その日は秋の夕暮れ、薄暗くなり始めた頃、私は本棚の奥にひっそりと置かれた一冊の本に目を留めた。表紙は摩耗していてタイトルが読み取れ...
すごくありがちな話を一つ、昔から「知り合いの運命がわかる夢」を見る わかりにくいので簡単に説明すると、例えば夢で友人Aがケガをする→現実世界でも友人Aがケガ(部位は違ったりするがほぼ数日以内に起きる。) 別に夢は夢で普通に見るのだが、たまに何もない空間で知り合いに何かが起きる夢を見ると現実で当...