
高校時代、僕たちは都会の高層ビルの廊下で毎日のようにバカ騒ぎしていた。特に仲の良かった悠斗と真由美と一緒に、無邪気に過ごしていたのだが、ある晩、真由美の提案で、ビルの入り口にある古い神社にある護符を取りに行くことになった。
真由美の母親は、いつも神社の護符に異常なまでの敬意を払っていた。「絶対に触れないように」と言われていたが、真由美は興味本位からそれを持ち帰りたいと言ってきたのだ。
その夜、僕たちはビルの屋上から階段を下りて、神社へ向かうことにした。真由美は少し不安そうだったが、悠斗は「大丈夫、怖いものなんてないさ」と笑い飛ばした。深夜の街は静まり返り、月明かりが薄暗い道を照らしていた。
神社に着くと、古びた鳥居の前で立ち止まった。真由美は、護符を取りに行くと言って、鳥居をくぐった。僕と悠斗は後ろで様子を見守ることにした。真由美が護符を手に取ると、突然、周囲が静まり返った。何かの気配を感じたのだ。
悠斗が「おい、何か聞こえないか?」と呟いた。その瞬間、僕たちは背筋が凍るような音を聞いた。何かが近づいてくる…それは、まるで人の足音のようだった。僕たちは恐怖に駆られ、真由美のところへ駆け寄った。
「何かいる!早く戻ろう!」と叫ぶと、真由美は恐る恐る振り返った。すると、鳥居の向こうに、黒い影がちらりと見えた。背筋が寒くなり、僕たちは思わず手を繋いで逃げ出した。しかし、階段を駆け下りるごとに、背後から足音が迫ってくるのを感じた。
「早く!逃げろ!」と叫びながら、ビルの入り口へ向かって全速力で走った。だが、足音はますます近づいてきて、何かが僕たちを追いかけているようだった。心臓がバクバクと音を立て、息が切れてきた。
ようやくビルの入り口に辿り着いた時、真由美は急に立ち止まり、後ろを振り返った。「何かいる!」と叫んだ。その瞬間、僕たちの視界に現れたのは、護符の形をした影だった。悠斗の叫び声が響き、僕は再び逃げ出した。
ビルの中に戻ると、警備員が心配そうな顔をしていた。僕たちはすぐに「何もなかった」と言ったが、真由美は護符を手にしていた。「これは…どうしても必要だったの」と言いながら、彼女は微笑んでいた。しかし、その微笑みはどこか不気味なもので、僕は不安を覚えた。
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