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私には四つ下の妹がいる。母子家庭で、母は朝から晩まで仕事だったから、家の中では基本私たち姉妹だけで過ごす時間が長かった。 物心ついた頃から、妹には奇妙な周期があった。 私はそれをひそかに「ほんとじゃない期間」と呼んでいる。 厄介なのは、それが完全に「二人きりのとき」にしか発動しな...
俺が20代後半のときの話。 彼女と遊園地に来たんだけど、閉店間際であとひとつだけ乗れるかなってお気に入りのジェットコースターに行こうとすると、彼女は乗りたくないって言っていた。 彼女は絶叫系に乗れない訳じゃないのに体調でも悪いのかなぁと思いながらも、俺は乗りたかったので彼女がお土産を選んでいる...
「あかり、手、つなご?」 「いいよ」 差し出した手を取ると、由紀は嬉しそうにその手を振り始めた。二人で街外れの公園を歩く。 由紀の手はほんのりと冷たかった。 人と手をつなぐ時、握りやすい方と握りにくい方があることを、あかりは知っていた。母親と手をつなぐとき、母はいつもあかりに握りやすい...
それは私が大学院生だった冬の夜のこと。図書館で一人勉強していると、ふとある本棚の陰から不審な視線を感じた。周囲は静まり返り、時折ページをめくる音だけが響く。薄暗い空間の中、目に留まったのは、無邪気な顔をした幼い男の子だった。彼は本棚の前にしゃがみ込み、何かをじっと見つめている。その視線の先には...
私が小学1年生の時に知り合いのおばさんからもらった緑の服を着たピエロ。背中のネジは無いものの、自分で動く為、子供ながらに自動で動くものなのかと最初は思っていた。 友達のような存在で、どこか憎めない可愛い顔のピエロがお気に入りで、自分に妹が出来たように嬉しかった。当時は肌身離さず持ち歩いて、外...
高校のとき、私には「親友」がいました。 美波(みなみ)。明るくて、誰にでも平等で、私が教室で浮きそうになると必ず隣に来てくれる子。 当時の私は、家の事情で朝が弱くて、よく遅刻していました。担任に呼ばれて廊下で説教されると、決まって美波が「大丈夫だよ」と笑って、私の代わりにプリントを揃えておい...
これは、私の祖母に起こった不思議な出来事の話だ。彼女は小さな町の書店で働いていて、毎日店を開ける前に必ず私に言う。「気をつけて行ってらっしゃい!」と、私が出かける時に。 しかし、ある秋の夕方、私は急いで出かけなければならず、祖母にその言葉を言えずに家を出た。心に何か引っかかるものを感じながら...
さっき、1月の「きさらぎ駅での生還」を書き込んだ大学1年の俺だ。 今回は、学年末テストが近づき、3年生への進級を前にして校内が落ち着かなかった、2月上旬の放課後の話をさせてほしい。 その日は部活の用具を片付けに、新校舎と旧校舎を繋ぐ、外の冷たい風が吹き抜ける渡り廊下を、一人で歩いて部室へと向か...
私には四つ下の妹がいる。母子家庭で、母は朝から晩まで仕事だったから、家の中では基本私たち姉妹だけで過ごす時間が長かった。 物心ついた頃から、妹には奇妙な周期があった。 私はそれをひそかに「ほんとじゃない期間」と呼んでいる。 厄介なのは、それが完全に二人きりの時にしか発動しないこと...
九月の終わり、台風の残りみたいな湿気が街に貼りついていた。私は深夜のシフトを終え、コンビニの制服をリュックに押し込みながら、駅前のコインランドリーへ向かった。部屋の洗濯機が壊れて三日目。替えのシャツが底をつきそうで、もう後回しにできなかった。 店は二十四時間のはずなのに、ガラス扉の内側は半分...
10年以上昔、働いていた会社の業績が良かった年に、田舎の小さな店の責任者であった末端の自分も、地区エリアの忘年会に呼ばれてお邪魔した。 ホテルで行われた忘年会では、数年前まではかなり有名であった芸能人の〇〇(例えるならみのもんた)もゲストに呼ばれていて「凄い有名人じゃないか」と驚いた。 流石に...
冬の夜、ようやく息子を寝かしつけた母親は、暖かいリビングで一息ついていた。その時、残業中の夫から電話がかかってきた。 「え、どうしたの?」と不安が胸をよぎる。夫の声は震えていた。「病院から、マサトが…亡くなったって。」 10歳のマサトは、夫の前妻の子で、先月から入院していた。生まれつきの...
私が大学2年生の秋、友人の田中が目立つ存在だった。彼は明るく、社交的で、どんな場面でも中心になれるタイプだった。それでも、少しお調子者で、友人たちの中では憎めない存在だった。 しかし、秋学期が始まって少し経った頃、田中は講義を休むことが多くなった。彼は病気だと聞いていたが、本人が触れたがらな...
放課後の教室は、窓の外の部活の声だけが遠くて、黒板のチョーク粉が光って見えた。 「ねえ、今日も残る?」 振り向くと、菅野(かんの)紗良が立っていた。二年の春から同じクラスになって、最初に話しかけてきたのも彼女だ。やたらと距離が近くて、笑うときだけ目が笑わない。けれど、そういう子はクラスに一...
放課後、廃校で肝試しをすることになった友人たち。彼らは、そこで語り継がれる不気味な話を耳にしていた。かつてこの校舎で命を絶った生徒がいるというのだ。彼女は、今もこの場所に留まり、成仏できずにいるという。友人たちは、冗談交じりにその話を持ち出し、興味本位で校舎へ足を踏み入れる。 薄暗い廊下を進...
ある冬の夜、若手のビジネスマンたちが仕事帰りに高層ビルの屋上で集まりました。 彼らは寒さをしのぎながら、互いに怖い話をして盛り上がっていました。話題が進むにつれ、ビルの最上階にある古びたオフィスが放置されているという噂が浮上しました。かつてそのオフィスでは、奇怪な出来事が連続し、誰も近づかな...
こんばんは。これは自分が調べ上げた実際にあった怖い話です・・・。その話はある日の午後に家族で旅行でのパスポートを 取りに市役所を訪れた時です・・・市役所について少しだけ待った家族の一人が(次兄のお嫁さん)の名前を呼ばれて 返事をして少しの間話し合いをしていたら自分の隣でお嫁さんの戸籍を見たらな...
金曜の夜、暇つぶしにマッチングアプリを入れた。顔の分かりにくい写真を一枚、自己紹介は薄く。 すぐに「Suzu(25)」から来た。 会話は普通。むしろ気が合う。 ただ、返信が速い。速すぎる。こちらがスマホを持つ前に、次の文が置かれている感じがした。 三日目、Suzuが送ってきた。 「最終ロ...
私の親友、Tは田舎の古い家に住んでいる。彼は大学の同級生で、現在は妻と幼い娘と共に幸せな家庭を築いている。だが、数年前、彼に起こった出来事が私を不安にさせた。 Tは結婚前、たくさんの女性と関係を持っていた。その中に、彼が深く愛していた女性、Mがいた。Mは非常に心優しく、Tにとって特別な存在だ...
若い教師が古びた廃校を訪れたときのことだ。彼は生徒たちと一緒に校庭で遊んでいたが、ふと校舎の隅に目をやると、手書きの看板が立っていた。 『近寄らないでください』とだけ書かれたその看板は、特に危険を感じるような場所でもなかった。好奇心に駆られた教師は生徒たちにその看板の元に行くよう促した。しか...