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お題 長編
みない、みない
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みない、みない

1ヶ月前
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高校のとき、私には「親友」がいました。

美波(みなみ)。明るくて、誰にでも平等で、私が教室で浮きそうになると必ず隣に来てくれる子。

当時の私は、家の事情で朝が弱くて、よく遅刻していました。担任に呼ばれて廊下で説教されると、決まって美波が「大丈夫だよ」と笑って、私の代わりにプリントを揃えておいてくれる。

「私、味方だから」って。

卒業して数年経って、同窓会の案内が来ました。

なんとなく懐かしくなって、美波に会えるのが嬉しくて、私は参加したんです。

でも、会場で受付を済ませた瞬間から、胸の奥がひやっとしました。

名簿に、美波の名前がない。

幹事に聞くと、きょとんとした顔で言いました。

「美波って……誰? そんな子、うちの学年にいたっけ」

冗談だと思って笑ったのに、周りの友達も同じ反応で、話が噛み合わない。

写真好きの子が当時の集合写真を見せてくれて、私はそこに美波が写っているはずの位置を指さしました。

……そこには、誰もいなかったんです。

空席みたいにぽっかり、隣の私だけが笑って写っている。

「ほら、ここ、美波がいつも——」

言いかけた瞬間、頭の中に“音”がしました。

カリ、カリ、カリ。

鉛筆で紙を削るみたいな、細くて乾いた音。

それと一緒に、思い出の一部が、内側から削られていく感覚。

同窓会の帰り道、私は耐えきれず母に電話しました。

「美波って覚えてる? 私の親友」って。

母は、少し黙ってから言いました。

「……あんた、また“あの子”の話をしてるの」

声が低くて、冷えていました。

帰省して、母は古いアルバムを引っ張り出してきました。

そこには確かに私の高校時代の写真が並んでいる。けれど、どの写真にも美波はいない。

代わりに、奇妙な“余白”があるんです。

人が立っていたはずの距離だけ、みんなの姿勢が少し不自然で、視線が微妙にズレている。

まるで、そこに「何か」がいたのに、写真だけが拒絶したみたいに。

母はアルバムの最後に挟まっていた、くしゃくしゃの紙を出しました。

私の字でした。

みなみは いいこ

みなみは みかただよ

でも みなみは わたしじゃない

みなみを みない

「これ、あんたが自分で書いたの」

母は言いました。「先生に言われて、“もう話さない”って約束したのに」

私は必死で思い出そうとしました。

美波の顔。声。匂い。手の温度。

でも出てくるのは、どれも輪郭のない“優しさ”だけ。

その夜、実家の自分の部屋で寝ようとしたとき。

机の引き出しが、ほんの少しだけ開いているのに気づきました。

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はじめまして、よろしくお願いします。

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