
冬の寒い夜、凍てつく公園のベンチに座っていると、親友のミナが突然、顔色を失った。彼女は、何かおかしいと感じているようだった。私たちは高校二年生で、いつも一緒に遊んでいたが、その日は特に冷え込んでいた。
「ねえ、私の肌、透けて見えない?」とミナが言った。私は思わず目を細めた。彼女の肌は確かに、微かに透き通っていた。最初はただの見間違いだと思ったが、彼女の肌の奥にある冬空の星がぼんやりと見えているのに気づいた。
「それ、本当なの? ミナ、冗談でしょ?」と聞くと、彼女は震える声で「冗談じゃない」と答えた。彼女は何かを隠すように手を握り、目を伏せた。
その後、私は彼女を家に連れて行くことにした。彼女の母親も驚き、すぐに病院に行くことになった。病院での診断は曖昧で、ただの皮膚の異常かもしれないと告げられた。私たちは不安を抱えたまま帰宅した。
日が経つにつれて、ミナの透明化は進行していった。初めは手のひらだけだったが、次第に腕、足、そして顔までもが影を失ってしまった。彼女は自分の存在を示すために毎日カラフルな手袋をして登校するようになった。しかし、その手袋さえも、時が経つにつれて透け始めた。
「私、もうすぐ見えなくなっちゃうかも」と言った彼女の声は、どんどん小さくなっていった。私は彼女を支えたいと思ったが、どうすることもできなかった。彼女が私に微笑むとき、その背後には空っぽの空間しか見えなかった。
そんなある日、彼女が「最近、何か楽しいことでもあった?」と聞いてきた。私は心の中で彼女のために笑顔を作って答えたが、その表情がどれほど空虚であるかを感じずにはいられなかった。
数日後、私は自宅で寝ていると、目が覚めた瞬間、自分の腕が透けているのを見た。恐怖で胸が締め付けられ、心臓が早鐘のように鳴った。すぐにミナの赤い手袋が目に入った。彼女が私のそばにいるようで、何かを訴えかけているように感じた。
「ミナ、どうしてこんなことになってしまったの?」私の問いかけには、返事がなかった。ただ静寂が続く。私の体もまた、彼女と同じ運命を辿るのかもしれないと考えると、その恐怖はますます膨れ上がっていった。私の目の前には、空中に浮かぶ赤い手袋だけが存在していた。
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