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地元に戻ったのは、母が入院したからだ。海と山に挟まれた町で、駅前の店は夕方には閉まる。夜は暗い。暗いのに、誰がどこで何をしているかは妙によく知られている。 病院の受付で名前を書いていたら、「紗枝?」と声をかけられた。振り向くと、紬(つむぎ)が立っていた。中学の同級生で、当時から人の世話を焼く...
文化祭のおばけ屋敷で二階でお化け役をしている人を撮りに来た。 そして写真を撮った。 そこで撮る前にも別の場所で撮った。 その時は2秒ぐらいで撮った写真の確認が出たが、 二階で撮った時は10秒もかかった。 カメラおかしくなったと思ってその時は気にしなかった。 そのあとカメ...
私の友達薫は、かなりの旅行オタクで、いつも国内をうろついている。長年にわたり、食べ物関連のフリーのライターをして生計を立てていた。「あのね、伊豆にいい温泉場見つけたんだけどさ。どう?」 ある日、薫から私に旅行のさそいがきた。「どう?って……いっしょに行かないかってこと?」薫が美人だか、少々ひね...
スマホの「最近削除」に、見覚えのない写真が一枚だけ残っていた。 夜の歩道橋。雨上がりのアスファルトが街灯を反射して、やけに明るい。画面の端に、女の人が写っている。白いコート。髪は長くて、顔は半分だけ影。いかにもそれっぽい心霊写真、って言えばそうなんだけど、妙に解像度が高い。最近の写真みたいに...
友人のMが亡くなったのは、俺が高校2年の冬だった。バイト帰り、雪道を車で家に帰る途中、事故にあったのだ。運転していたのは酔っ払いで、あっという間に連絡が来た。犯人はすぐ捕まったが、俺はその時、こんな奴にMが奪われたのかと思った。 月日が流れ、Mの一周忌を迎える頃には、彼がいない寂しさが心に深...
僕たちが体験した出来事は、今でも不気味な記憶として残っている。 趣味は登山で、いつも数人で山を登っていたが、ある日ふと思い立って一人で登ることにした。そんな時、友人のAが新しい登山道を見つけたと興奮気味に話してきた。 「この道は絶対に最高だぞ!」と彼は言った。 他の仲間たちもその話に乗り...
私がいた私立女子中高一貫校にはプールがありません。 プールの授業は基本的になく、その代替なのか水難事故防止のビデオを見たり、研修旅行でプールに入る活動がありました。 そのなかで噂になっているのは、「この学校には地下にプールがあったが閉鎖された」との話でした。 地下にプールがあるなんて、想...
私が高校1年生の夏に体験した話です。 私はある部活のマネージャーを友達としていて(私は休日しか来れなかったのですが)部室で楽しく話したりマネージャーの仕事をしたりしていました。 私たちの部室は場所がほんとに悪く日当たりが良いとは言えない場所で、しかも部室の前にはいかにも出そうな旧体育館が...
私が中学1年生の時の話です。 うちは3人家族で毎年お盆には母方の実家に 帰省しています。 私の母方の実家は東北にあり、農業で 生計を立てています。 家の敷地も広く、建物が3つあります。 1つは主に生活をする家(母屋というものでしょうか)。 2つ目は農作業に使う道具などを入れている建物。 そし...
伯父がひとりで守ってきた渡し場の詰所というのはね、 川べりのいちばん端っこにあるんですけど、不思議と人の気配が途切れない場所だったんですよ。 朝は通勤で船に乗る人がいて、昼は畑に渡る人がいる。 用もないのに腰を下ろして、湯呑をすすりながら川を見て、何となく話して帰る人もいる。 渡し舟っていう...
従姉のお父さんは従姉を溺愛していたらしいです。 『らしい』というのは、従姉のお父さんは従姉が1歳になる前に事故でなくなっているからです。 本当に娘が大好きで、生まれてくる前からデレデレだったようです。 そして月日が流れ、従姉は結婚を機に実家を出ることになりました。 引っ越しも無...
冬休みを利用して、私は離れて暮らす叔母の家に泊まることになった。叔母は、家にずっと置いてあった古い写真立てを大切にしていた。その中には、亡き祖父の若い頃の写真が収められていた。 その夜、真っ暗な廊下に出ると、ふと感じる不気味な気配。トイレに向かう途中、写真立ての前を通りかかると、写真の中の祖...
これは私が中学三年生の部活での合宿で起きた話です。 合宿所は海が目の前になり、みんなでスケッチをしたり、楽しく遊んだりしていました。 本当に楽しくて、顧問の先生にバレないよう夜中の3時までみんなでお菓子を食べたり、トランプをやったりしていました。 でも、私はあまり遅くまで起きれないのでみんなよ...
今から6年ほど前のコロナ禍、当時大学生だった自分はポスティングのバイトをしていました。当時はまだ車所有してなかったので、自転車で色々な家やマンションなどをポスティングで回ってました。その時に、配達先に指定されている白い昭和の古めの2階建ての家があったのですが、その家はいつの時間見ても玄関先の電...
中学生のときのこと。 同じ学年に知的障害の男子がいた。 どうしても他の子と一緒に学びたいという親の希望で、通常の学校に入れたそうだ。 その子は勉強が全くついていけてなく、他の子ともうまく関われなかった。 さらにその子は、クラスの子にバカにされたり、いじめられていた。 俺は中2と中3でその子と同...
うそみたいなほんっとうに怖い話、、。 中学生のころ、薄暗い時間に1人で下校しとった。そしたらお墓の前に札束入ったみたいな袋落ちとった。 【なんやこんなとこに】 って思ったけど興味本位で家に持ち帰ってみた。 夜、家で勉強しとるときに拾ってきた袋のこと思い出した。 【なにはいってんねや...
兄貴が夜間高校の新学期を迎えて暫く経った頃、クラスメイトの皆さんと撮った集合写真を持って帰ってきた。 何気なく見てると、1列目の人と2列目の人の間に1人だけ不自然に顔だけを覗かせてる人が居た。 「んー?兄貴、この人なんでこんな風に写ってるん?照れ屋さん?」 写真を手渡されて確認した後兄貴が青ざ...
俺のおばあちゃんが昔していた仕事の仕事場の横にある、とある物件で起きたことです。 仕事場の隣にある物件は重々しい空気を漂わせ、いかにも幽霊が出そうな感じを出していた物件でした。廃墟というほどボロボロな物件ではありませんでした。その物件にまつわる色々な噂が近所では広まっていました。たとえば 「...
私がまだ小さかった頃のこと、1990年代の秋の夕暮れでした。家族で訪れた廃村には、伝説のような話があったのです。ここにはかつて、神秘的な力を持つとされる祖父が住んでいたと。祖父は、亡霊を呼び寄せて人々の悩みを解決することができると言われていましたが、そんな話を聞きながら、私はその真相を知りたく...
あの倉庫は、地元じゃ有名だった。 港湾地区の外れにあって、もう何年も使われていない冷凍倉庫だ。 取り壊し予定は何度も出たらしいが、地権が絡んで話が流れ続けている。 肝試しだの心霊スポットだのという扱いもされていたが、俺にとっては単なる廃構造物だった。 俺は建築学科で、卒論のテーマは戦後の冷...