
私がまだ小さかった頃のこと、1990年代の秋の夕暮れでした。家族で訪れた廃村には、伝説のような話があったのです。ここにはかつて、神秘的な力を持つとされる祖父が住んでいたと。祖父は、亡霊を呼び寄せて人々の悩みを解決することができると言われていましたが、そんな話を聞きながら、私はその真相を知りたくなりました。
その日は、姉と一緒に村の外れにある古い家に探検に行くことにしました。家は朽ちかけていて、風で揺れる窓が不気味な音を立てています。入ると、薄暗い部屋の中には古い家具が散乱していました。私たちの目に留まったのは、埃をかぶった大きな木の箱です。姉と私は、好奇心に駆られてその箱を開けることにしました。
箱の中には、無数の古い写真が収められていました。見ると、そこには見知らぬ子どもたちの姿が写っていました。私たちは興味を持ち、写真を一枚一枚見ていると、その中に、私にそっくりな子どもの姿があることに気がつきました。驚きと恐怖が同時に襲ってきました。私はその写真を指差し、「この子、私だ!」と叫びました。しかし、姉は顔を青ざめさせていました。
「その子は、もうこの世にはいないんだ…」姉の言葉は私の心に重くのしかかります。私たちはその場から逃げ出すように家を出ましたが、後ろから誰かの声が聞こえました。「戻ってこい…」という低い声でした。
その声に驚いて振り返ると、写真の中の子どもが、まるで私たちを呼ぶかのように手を伸ばしていました。恐怖に駆られ、私は姉と共にその場を離れました。
家に帰ると、何が起こったのかを両親に話しましたが、彼らは信じてくれませんでした。しかし、その夜、私は夢の中であの子に出会いました。「私はお前の兄だ。お前が生まれるはずだったのに…」その言葉に背筋が凍りました。目が覚めると、私は寒気を感じていました。
数日後、村の古い伝説を調べるために図書館に行くと、祖父の名前が記されている古い記録を見つけました。そこには、祖父が霊を呼び寄せていたと書かれていました。そして、私の名前も記載されていたのです。私はその時、祖父が私を連れて行こうとしていたのだと悟りました。祖父は、私が生まれることを望んでいたが、同時に私に何かを伝えたかったのです。
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