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長編

山姥

匿名 3日前
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人達と同じ様な台詞を口にしたK君は、先生が来たことに気付くと静かに自分の席へと着いた。それに倣《なら》うようにして自分の席へと着いた俺は、少しばかり晴れない気持ちのまま先生が話している姿をぼんやりと見つめた。  確かに山姥は存在すると口にしながらも、その記憶があまり鮮明ではない様子のK君。そのあまりの不透明さに、俺はどうにも納得がしきれなかった。 (K君が見たのは、本当に山姥やったがけ……?)    そんな疑問を抱きながら配られたプリントを受け取ると、俺は残りの一枚を手に持って後ろを振り返った。 「……あれ?」  誰も居ない空席を見つめながらポツリと小さな声を溢した俺は、プリント片手に目的を失った右手を宙に彷徨わせた。   (……これ、誰の席やったっけ?)  一瞬、昨日まで誰かがこの席を使っていたような気もしたけれど、よくよく考えてみれば列の最後尾は自分だった。そう思い直した俺は、余ったプリントを片手に声を上げた。 「先生、一枚多いちゃ」 「あれ? 五人やった気がしたけど……四人やったか。かんにかんに、勘違いしとったわ」  そう言って余ったプリントを受け取った先生は、俺のすぐ後ろに視線を移すとポツリと呟いた。 「何で席が余っとるんだ……?」  暫しの間不思議そうな顔を浮かべた先生は、その後何事もなく授業を終えると、余った机を持って教室を出て行った。  そんな光景を見て少しの違和感を感じながらも、けれど、俺を含めた誰もが大して気に留めることもなかった。 「──で、次はいつあの山に行くが?」  いつもの帰り道。まるで昨日の出来事など何もなかったかのように話し続けていたK君は、俺のその言葉を聞いた途端に顔を強張らせた。  どうやら記憶が曖昧なのはK君だけではなかったようで、誰に聞いても山姥に遭遇した後のことはよく分からなかった。そんな話に納得ができる訳もなく、俺は一度、この目で山姥の存在を確かめてみるべきだと思っていた。 「あんなとこ、二度と行かんちゃ」 「え……もう行かんの? 見てみたかったわ、山姥」  予想外の返事に軽く肩を落とすと、そんな俺を見たK君達は焦ったような声音を上げた。 「絶対、あの山に入ったらだちかん! 行ったら山姥に食われるぞっ!」 「そや! 鬼や……っ、鬼が食うたんだ!」  あまりの勢いにビクリと驚きながらも、何かに怯えるような素振

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  • 主人公の息子だったんですね
    あー
  • ではでは、解説しますね 最初、主人公の少年達は4人組だった。その内3人で山に行くも、翌日帰って来たのは2人だけだった。余っていた机や、誰か居たような気がしたのはこの4人目の少年。彼は山姥に食べられ、何故かその存在の記憶すら抹消されてしまった為、多少の違和感はあるものの誰も気付かない。 その後、大人になった主人公。 ゲーム機や子供用の食器類は、主人公の子供のもの。でも、記憶がないということは…山姥に…。 やはりここでも、違和感は感じるものの主人公は気付けない。だけど、本能的に察しているのか悲しみから涙が出ている。 って感じです
    BAgu
  • すみませんが、僕には意味がわかりませんでした。
    あー
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