
これは、私の家族に実際に起こった話です。今から12年前、私が18歳のときの出来事です。
私の家族は、母、姉、弟、そして認知症を患っている祖母の4人です。母は仕事を掛け持ちし、姉は大学に通い、弟はまだ小学生。祖母の世話は私の役割でした。
家族の間には、いつも緊張感が漂っていました。特に、祖母の言動が最近おかしくなり、時折、誰もいない空間を指さしたり、過去の出来事を繰り返し話したりすることが増えていました。
そんなある日、私は放課後、友人と帰る途中で古びたアパートの前を通りかかりました。窓の中に、何かがちらりと見えました。気になり、近づいてみると、中に大きな古い鏡がありました。それを見つめていると、鏡の中に自分の顔が映ると同時に、背後に誰かが立っているのを感じました。
驚いて振り向くと、誰もいませんでした。ただの風だと気にしないことにしましたが、その後も鏡のことが頭から離れませんでした。
帰宅すると、祖母が私を見つめ、こう言いました。「あの鏡、見ないほうがいいわ。あそこには、見えないものがいるの。」と。私はそれを冗談だと思いましたが、内心不安がよぎりました。
それから、次第に家の中で奇妙なことが起こり始めました。夜中に物音がしたり、急に電気が点滅したり、祖母がまた誰かと会話をしているのを聞くことが増えました。特に、姉が「何かがいる」と言い出したとき、私はその不安感が本物だと感じ始めました。
そんなある夜、祖母が急に倒れ、病院に運ばれることになりました。その間、私たち兄弟は家で待機していましたが、家の中の異様な空気がさらに濃くなっていくのを感じました。特に、2階の廊下から聞こえる笑い声が気になり、思わず階段を上ると、鏡のある部屋のドアがわずかに開いていました。
恐る恐る中を覗くと、鏡の前に立つ影がありました。まるで、誰かがこちらを見ているかのように感じました。その瞬間、背筋が凍りつき、急いで部屋を出ました。
次の日、祖母は病院で亡くなりました。葬儀を終え、家に戻ると、姉が「私たち、ここを出よう。」と言いました。しかし、引っ越し資金がなく、どうすることもできませんでした。そんな時、ふと気づくと、鏡の中に無数の手形が浮かび上がっているのを見つけました。あの影は、私たちを待っていたのだと確信しました。
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