
これは2年前の冬のことだ。
その頃、俺は大学生活も2年目に突入し、少しずつ周囲に馴染んできた頃だった。
ただ、心のどこかで何か不穏なものを感じていた。
ある晩、親友の一人、佐藤から電話がかかってきた。彼は少し緊張した声で言った。
「最近、田中が行方不明なんだ。連絡を取ろうとしても、一切返事がない。」
田中は俺たちのサークルの仲間で、明るくてお調子者の性格だった。みんなに愛される存在だった。佐藤と俺は、彼の行方不明を心配し、何か知っている人がいないかと情報を集め始めた。
「田中、最近何かあったのか?」
そう尋ねると、佐藤はため息をついた。
「実は、先月のサークルの飲み会で、田中が何か悩んでいるように見えたんだ。それから急に連絡が取れなくなった。」
俺はその飲み会には参加していたが、田中の様子は特に気にしていなかった。
「彼が何か困っているのなら、直接聞いてみるべきだった。」
そう後悔した。
その晩、俺は奇妙な夢を見た。暗い部屋の中で、田中が無表情で俺に何かを伝えようとしていた。ただ、その声はまるで遠くから聞こえるようで、何を言っているのか全く理解できなかった。
翌日、佐藤と会う約束をしていたが、待ち合わせ場所をすっかり忘れてしまった。自分のメモを見返そうとしても、どこに書いたのか思い出せない。そんな時、また電話が鳴った。
今度は高橋からだった。「おい、田中のことを聞いたか?」
「え? 何を言っているんだ?」
高橋の声は焦っていた。「彼、数週間前に事故で亡くなったって噂が広まっている。」
「冗談だろ?」俺は信じられなかった。
「田中が亡くなった? それはない。昨日、佐藤と話したばかりだ。」
通話を終えた後、俺は混乱した。何が本当なのか分からなかった。通話履歴を確認すると、高橋とのやり取りはあったが、佐藤との会話は記録に残っていなかった。
さらに混乱が続く中、再び夢に田中が現れた。暗闇の中で、彼は必死に何かを伝えようとしている。俺は声をかけようとしたが、再び目が覚めてしまった。
この日は佐藤と会う予定だったが、場所を思い出せず、再度彼に電話することにした。すると、またもや高橋からの着信があった。「○○公園で待っている。」
俺はすぐに出かけたが、公園に着いても誰もいなかった。周囲の静けさが不気味だった。しばらくすると、背後から声が聞こえた。「お前、佐藤と何を話した?」
後日談:
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