
これは、私が小学5年生の冬休みに、山村の祖父の家へ遊びに行ったときの話です。祖父の家には特に冬になると毎年訪れていました。祖父はとても優しく、行くたびに「大きくなったね」と笑顔でお小遣いをくれたものです。
祖父の家は古びた一軒家で、1階には祖父の部屋、2階には祖母の部屋がありました。祖母は私が小さい頃に亡くなっていて、祖父からは何度もこう言われていました。「2階には、祖母が大事にしていたものがたくさんある。だから絶対に入っちゃだめだよ。」
でも、私はどうしても気になって、ある日こっそりと2階に上がることにしました。
階段を登ると、すぐにボロボロのドアが目に入り、ここが祖母の部屋だとすぐにわかりました。
しかし、そのドアには大きな鍵がかかっていて、異様な雰囲気が漂っていました。
数日後、夜中にふと目が覚めました。最初は風に揺れる木の音だと思ったのですが、その音の中に微かに聞こえる女の子の声がありました。「やめて……」
心臓がバクバクし、私は布団を頭までかぶって震えていました。それから、2階からミシミシと音が聞こえてきました。誰もいないはずなのに。
怖くてたまらず、朝が来るまで一睡もできませんでした。翌朝、祖父に「この家、お化けとか出るの?」と尋ねると、祖父は少し驚いた顔をしてから、「お化けなんて、気のせいだよ」と笑いました。でも、その時の祖父の目が、不気味に感じました。
その夜から、毎晩女の子の声が聞こえるようになりました。「こわい……」「こないで……」か細い声が私を脅かしました。ドンドンと床を叩く音も混じり、眠れぬ日々が続きました。
ある晩、私は思い切って2階に行くことにしました。階段を上がり、いつもは閉まっているはずのドアが開いていました。「なんで開いてるのだろう……」
胸がざわざわする中、私はそっとドアを開けて中を覗きました。その瞬間、息を呑みました。部屋の中には、奇妙な古い人形と、見知らぬ女の子がいました。彼女は私と同じ年齢で、顔色が悪く、髪はぼさぼさ。彼女が着ていたのは、私が着ていたセーターでした。「やめて……いたい……」その子がそうつぶやいた瞬間、私は本能的に「これは普通じゃない」と悟りました。
ドアを閉めようとしたとき、金属の音が鳴りました。それで祖父と目が合いました。祖父の顔には見たことのない、どこまでも濁った不気味な表情が浮かんでいました。私は無我夢中で逃げ出し、裸足のまま近くの交番に飛び込みました。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。


