
山間の村にある実家に帰ると、冬の静けさが村を包んでいた。雪が積もった田んぼを見渡すと、何かが動いているのが見えた。子供の頃に聞いた物語に出てくる「クネクネ」だった。あの不気味なものが、ここにいるなんて。
兄はその姿に目を奪われ、妹と共に小屋へと急いだ。だが、なぜか気持ちがざわつく。小屋の中では家族が楽しそうに笑っていた。兄は不安になり、どうしたのか尋ねたが、家族はただ不気味に微笑むだけだった。
目を凝らすと、家族の後ろに「クネクネ」が立っているのが見えた。その瞬間、兄は全身が凍りついた。彼だけが異常を感じ取っていたのだ。家族はその影に取り込まれ、兄は一人、呆然とした。彼の叫びが冬の風に消えていく。誰も気づくことはなかった。彼だけが、孤独な恐怖に包まれていた。彼の心の中に残ったのは、家族の笑顔とその影だけだった。彼は、もう帰る場所を失ったのだ。
そして、彼の目の前には依然としてクネクネがいる。彼の心の奥底に、恐怖が根を張っていた。彼はその影の一部になってしまったのだ。彼の声は小屋の中に響くことはなく、ただ静かに冬の夜に消え去っていった。
あの笑顔は、もう戻らない。彼は、あの時の決断を永遠に悔いることになるだろう。冬の夜、彼は永遠にその影に囚われてしまったのだ。
彼の存在は、ただの影となり、村の伝説に埋もれていった。
この村には、もう一人の住人が増えたのだ。
兄は、今も小屋の中で家族を見守っている。だが、彼の姿は誰にも見えない。彼はただの影となり、彼らの笑顔を見つめ続けるしかなかった。
それは、恐怖の物語の始まりでもあった。
そして、村の伝説は、また一つ増えることになる。
彼の名前は、もう誰も覚えていない。
その影の存在が、村を包み込んでいた。
彼は、永遠にその影に囚われる運命にあったのだ。
兄は、もう戻れない。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(1件)
コメントはまだありません。


