
冬の寒い夜、友人と出かけた繁華街で雑貨店を訪れた。店内は古びた雑貨で溢れ、どこか懐かしい雰囲気が漂っていた。そこで目に留まったのが、埃をかぶった一冊の古い日記だった。値段はたったの500円。興味をそそられ、即座に購入した。
帰宅後、日記を開いてみると、数ページにわたって走り書きのような文字がぎっしりと詰まっていた。ただ、その中に不自然なほどの空白があり、何かが欠けているように思えた。
読み進めるうちに、特定の単語が不気味なほど強調されていることに気付いた。「彼」「影」「逃げろ」などの言葉が、周囲の文字と異なり、まるでその人物の心の叫びのように目に飛び込んできた。
興味を持ち、強調された言葉をメモに書き出していくと、次第にそれが繋がっていくことに気づいた。「彼から逃げろ」「影が近づいてる」「助けて」と、まるで一つのメッセージになっていくのだ。
その時、心臓が高鳴るのを感じた。これは単なる日記ではない。前の持ち主が本当に誰かに狙われていた可能性がある。恐怖が胸を締め付ける。
翌日、雑貨店に戻り、店主にこの日記のことを尋ねた。すると、店主は顔色を変え、「それはある若い女性が残したものだ。彼女は失踪してしまった……」と語り始めた。彼女の最後の言葉は、まさにこの日記に書かれていたものだった。
私は思わず呆然とした。彼女が何から逃げていたのか、そしてその影は本当に存在したのか。日記の内容が脳裏を駆け巡り、何もかもが混乱していった。果たして、彼女の命は本当に狙われていたのだろうか……。これが単なる偶然の産物なのか、運命だったのか。答えは未だ見つからないままだ。日記は、ただの紙切れではなかった。彼女の記憶が、今もどこかで生き続けているような気がした。私もまた、彼女の運命に巻き込まれているのかもしれない。恐怖は、日記の中から逃れられないのだ。彼女の影が、今も私の背後に迫っているような気がしてならない。
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