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長編

咒禁

匿名 3日前
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遺体を見た。その瞬間、俺は息を呑んだ。棺の中に入っていたMの遺体は普通じゃなかった。手足の先が完全に腐敗しており、顔に至っては断末魔の叫びをあげた瞬間のような表情で、右目の眼球が外に飛び出していた。しかも、着ているものは死に装束ではなく、爪で引き裂かれたようにボロボロになった普段着と思われる服に、大量のお札が貼ってあったのだ。それはCとYも同じだった。その無残に変わり果てた姿に、悲しみと恐怖で涙が出てくるのと同時に思わず胃の中のものを戻してしまった。 「うっ……げぇぇえええええっ!!!!」  その直後、俺は爺ちゃんに本気でぶん殴られた。マジで頬の骨にひび入ったかと思ったくらい痛かった。 「この馬鹿が!!見るなと言っただろ!!死にたいのか!?」 爺ちゃんの表情は今まで見た中で一番険しかった。だけど、その表情からは“怒り”じゃなく本気の“焦り”を感じたんだ。やっぱり何かあるのか。 「じ、爺ちゃん……一体どうなって…」 殴られた痛みや恐怖、悲しみが交じった震えた声でそう言いかけた途端、 「遺体に触れたのか!?」 肩を強く揺らしながら聞いてくる。 「いや……触ってはないよ」 そういうと、ホッとしたように涙を流して俺を抱きしめた。でもその前にぶん殴られたわけだし、ここまで来たら流石に真相を聞かないと気が済まない。その後、遺体は土葬で土深く埋められたと聞いた。聞いたというのも、俺はあの後爺ちゃんに強制的に家に連れ帰られて、途中で抜け出してしまったからだ。  その日の夜、俺は縁側で月を見てる爺ちゃんに疑問をぶつけた。最初こそはぐらかされたものの、しつこく聞くとようやく折れてくれたようで 「今から話す内容を決して誰にも話すな」 と言ってから、物置から古い書物を取り出して見せてきた。『〇〇村 郷土資料』と書かれていた。爺ちゃんは老眼鏡をかけて本のページを一枚一枚めくっていく。そして、あるページで止まった。そこは、過去に起きた災害を記録しているものだった。 「これ、見てみろ」 そう言われて読んでみた。そこで分かったのは、この村は江戸時代から存在している随分古い村だということ。それから、かなり多くの災害に見舞われていたということ。地震、津波、豪雪、土砂災害。でも、ある時期を境にその記録が途絶えているんだ。 大正13年。 「ここから記録されてないの?」 「されてないんじゃない。そこから災害が一切起きてい

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