
長編
咒禁
匿名 2日前
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い伝えまである。実際にM、Cの三人はその姿を見てあの変わり果てた姿になってしまったらしい。見たその日の夜には手足が腐り始め、身体を搔きむしり、Cは吐血までしたそうだ。最後には右目の眼球が飛び出し、
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!」
と断末魔の叫びを挙げ、苦しみながら死んでいったそうだ。その時の声は既に彼らのものではなく、子供や大人の女性の声がいくつも重なったような、不気味な声だったらしい。棺の遺体は普通、死に化粧をして死に装束に着替えさせ、綺麗になっているものだが、あの呪いを受けた遺体には決して触れてはいけないらしい。
そして儀式についてだが、10年おきに中身の目を入れ替える必要があるそうだ。そしてその時期が、丁度俺たちが爺ちゃんに家を追い出されたとき、爺ちゃんは俺たちが犠牲になるかもしれないことを恐れて、嫌われること覚悟で無理やり追い出したらしい。結局その時はYが犠牲になったのだとか。俺は罪悪感に圧し潰されそうだった。
俺たちは葬儀の翌日、逃げるように東京へ帰った。一応帰るときに爺ちゃんがお守りと何かの紙を持たせてくれた。この先何もないといいんだけど。
最後に一つ。これ、怖くて誰にも言えなかったんだけど、俺は葬儀の日、棺の中のMの遺体に指先が一瞬触れてしまったんだ。
……多分、大丈夫だよね?
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