
長編
咒禁
匿名 3日前
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ないんだ」
「どういうこと?ていうか、これがあいつらと何の関係があるんだ?」
「あの子たちはな……この村の"闇"そのものに触れたんだ」
そして、爺ちゃんはゆっくり話し始めた。
この村は元々異常なほど災害が多い地域だったためか、農業も畜産も上手くいかず、生活に困っていたそうだ。大正になり、しばらく経ったある時、それを聞きつけて村に一人の祈祷師がやってきた。後で知ったことだが、その男は黒い噂の絶えない邪教団の熱心な教徒だったそうだ。その男曰く、「私に協力すれば災害をしずめてやる」とのこと。村人たちは藁にもすがる思いで方法を聞いた。
だがその方法は、決して超えてはならない一線を大きく飛び越える、あまりにも非人道的なものだった。以下は、その方法である。
1.子供を磔にし、両手両足をきつく縛る。
2.血流が止まっていき、徐々に腐っていく手足を野犬やカラスに食べさせていき、死んでいく様を母親に無理やり見せる。
3.そうすると当然母親はその行為を行った者、自分を止めた者、そして最後まで助けられなかった自分自身に対し、怨念が溜まる。
4.そして地獄の光景を鮮明に映した母親の右目の眼球を生きたまま取り出す。
5.それを特殊な袋に入れ、それにお札を貼って封じ込める。
6.犠牲となる僧侶を一人、袋と一緒に土に埋めて即身仏とさせ、強すぎる怨念の依代となり、永遠に災害から村を守る人柱とする。
「そして、その人柱に選ばれたのが、当時その宗派で最も優秀だったお方だった」
「…………」
言葉が出てこなかった。
「何それ?つまりその僧侶は、怨念で強まった力を利用して災害から村を守ってるってこと?」
爺ちゃんは悲しげな表情で無言で頷いた。
「あの子たちはそれを見てしまった。ゲンチョウ様のお姿をな」
「ゲンチョウ様って、即身仏になった人のこと?」
「そうだ、ゲンチョウ様は巨大な怨念の入れ物。それに触れることがどれほど危険なことか分かるだろう?」
ゲンチョウ様は村の一番高い山の中にある神社の本殿にあるそう。M、Cは大人が隠していることを調べつくした結果、神社の本殿に何かがあることを突きとめたのだ。ゲンチョウ様がいる限り、災害は決して起きないが、それの中身を見てしまうと、犠牲となった人間のように手足が腐敗し、右目の眼球が飛び出して亡くなる。そしてこれまで溜まっていた災害が一気に起こるという言
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