
長編
咒禁
匿名 2日前
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けど、俺たちは元々ここに住んでいたわけだから、違和感しかなかった。
家の前まで着くと、爺ちゃんが家の塀の前で仁王立ちしていて、俺たちを見るなりもの凄い力で腕を掴んで、引きずり込むように家に入れた。
そして開口一番、
「家に着くまで、何もなかったか!?」
って、俺の肩をがっしり掴んで聞いてきた。何もなかったけどめちゃくちゃ視線を感じた、と伝えると爺ちゃんがその場にへたり込んでこう言った。
「いいか。もう一度言うが、葬儀の時間以外は絶対に外に出るな!絶対だ!!」
と、念を押されてしまった。そこで理由を聞くと、
「知らない方がいい」
と言われ、結局教えてくれなかった。なんなんだ一体。
次の日、葬儀の時間になり、俺たちは喪服に着替えて会場に向かった。M、C、Yの合同葬儀らしい。会場に着くと、友人のFが涙で崩れた顔で椅子に座っていた。重苦しい雰囲気の中、俺はFの元へ行き、話しかけた。Fの泣き顔を見て、俺ももらい泣きしてしまった。
「F……俺マジで何も聞いてないんだけど、3人とも何があったの?」
それを聞くと、突然Fが両手で頭を抱えてガタガタ震えだした。そして、三人の遺体が入った棺を震える手で黙って指さした。
「棺が……どうかした?」
「見れば……分かる」
最後、棺の中に花を入れるからその時に見れるはずだ。俺はその時をじっと待っていた。
葬儀が始まったんだが、これが異様に感じた。朝の10時から始まって、既に2時間以上経過しているんだが、お坊さんがお経を読んだ後、神主みたいな人が大幣っていう棒に紙がついたやつを、1時間くらい振り続けてた。まるで、悪霊祓いするかのように。そして村の大人たちは手をこすり合わせてお経を唱えながら必死に祈ってるんだ。顔を見たら、みんな何かに怯えてる感じがするんだよ。隣のジジイなんか、怯えすぎて息が荒くなってた。マジで何が起こってるのか分からなかった。どこのカルト教団だよって思ったけど、後で起こられるのが嫌なので、俺も祈るフリをしながら「なんまいだ~」ってぼそぼそ唱えてた。
そしてようやく、棺に花を入れる時が来た。花を持った瞬間、爺ちゃんにそれを奪われ、
「お前はやらんでいい」
と言われた。よく見たら、花を入れてるのは40過ぎた大人だけだ。若いやつは俺とF含めて誰も花を持っていない。俺は気になって仕方がない疑問を晴らすため、制止する大人達を強引に押しのけ、棺の中の
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