
冬の寒い夜、大学からの帰り道、俺は友人と遊びすぎて帰宅が遅れてしまった。アパートの前に立つと、すでに10時を過ぎている。いつもと違って、今日は何となく気が重い気がしたが、鍵を使わずに内鍵を回して中に入ることにした。ドアを引くと、何かが引っかかる感覚があったが、そのまま力を入れて引いた。
その瞬間、背筋に冷たいものが走った。何かの気配を感じたのだ。振り返ると、目の前の廊下に古びた鏡が置いてあるのが目に入った。鏡の中には俺の後ろに立つ自分が映っていたが、何かが違う。俺の後ろに立つはずのはずの妹が映っていないのだ。俺は思わず身を引いた。
その時、ドアの向こうから妹の声が聞こえた。「おかえり、遅かったね。」振り向くと、いつも通りの妹が微笑んでいた。安心したが、心のどこかで何かが引っかかっていた。寝室に向かう途中、またあの鏡が気になり、振り返って見ると、今度はその鏡に映るのは白い顔をした女性だった。慌てて目を逸らし、布団に入ったが、恐怖で全く眠れなかった。
その夜は、何度も目が覚めた。どんなに布団をかけても寒気が消えなかった。結局、朝まで眠れずに過ごし、次の日からは妹も調子を崩して学校を休むことになった。数日後、妹の部屋の鏡を処分することにしたが、俺の心の中にはあの女性の顔がずっと残り続けた。今でも帰宅するたびに、あの鏡のことを思い出し、背筋が凍る思いをする。あの恐怖は、決して忘れることができない。なぜあの鏡があったのか、今でもわからないままだ。
そして、今夜もまた、帰るべきアパートが見えてきた。心の中で何かが叫んでいる。あの鏡の中の女性に、また会うことになるのだろうか。恐怖が、再び俺を包み込む。
冬の夜、冷たい風が吹き抜ける中で、俺は再びそのドアを開ける。果たして、何が待ち受けているのか、恐れと期待の狭間で揺れている。やはり、帰宅には恐怖がつきものなのだ。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。



