
長編
からくり箱
匿名 3日前
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したら、姉ちゃんに会えなくなるからね。と言われた。
俺の頭の中には、誰にも話したらダメって事と姉がいなくなるって事がグルグルと回っていた。
暫く放心していると、倉の入り口からお袋の声がした。
「お姉ちゃん居るの?」
姉は、いつもと変わらない声で「居るよ~。」と言いながら二階から顔を出した。
「お団子買ってきたから、家においで。」そうお袋が言って少し咳き込んだ。
多分、倉の中が埃っぽいせいだろうと思っていた。「お団子だって。」と姉が俺に言った。
その時の姉の顔は、普段では見たことがないくらいの怖い顔をしていた。
俺は、少し後ずさってから、階段を降りようとしていた時、後ろから姉に腕を強く引っ張られた。驚いて後ろを振り向くと、姉は、怖い顔をしたまま目だけで「何も言うな。」と言ってた気がした。
俺は、小刻みに震える頭を無言のまま縦に振り、階段を降りた。
倉の入り口から少し離れた所でお袋が咳き込んでいた。
俺が倉から出てくるのをお袋が見て「あんたも居たの?珍しいわね。」とにこやかに笑った。
姉も倉から出てきて、3人で家に入った。
団子を頬張りながら、祖母とお袋、姉と俺で談笑
してると、親父が「ミ○○神社」( ○の部分は聞き取れなかったか覚えて無い。)の社の中の物が盗まれたらしい。」と言いながら居間に入って来た。
俺は、口に入れた団子を喉に詰まらせそうになり噎せた。姉は、平然としていた。
お袋は「慌てて食べるからよ。」と噎せた俺の背中を擦った。
噎せながら俺は、姉が泥棒になってしまったと悲しくなり、噎せて涙目になった時少しだけ泣いた。
お袋が、ティッシュペーパーを渡してくれたので口の回りと目を拭いた。
噎せたお陰か俺が密かに泣いた事は誰にも気付かれずにすんだ。
しかし、それからが大変だった。
村中で、神社に行った者探しが始まり、俺や幸太や幸太の兄ちゃん達と神社に行ってた事がバレて、大人達から物凄く怒られた。
そして、神社の物を持ち出したか?と同じ事をみんなに聞かれた。けど、俺も幸太も社の中を少し覗いただけで物は持ち帰って無いと言い、幸太の兄ちゃんやA、Bの証言もあり、どうにか信じて貰えた。
そうなると、外部からの人間じゃないのか?と話は拡がったが、小さな村だから、誰か知らない人が来たら、直ぐ噂になる。
そんな事は、俺が祖母の家に来てからは1度も無かった。
じゃあいったいなんだ?と村人達は頭を抱えて
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- 面白かった‼早く続き読みたい!楽しみに待ってます!狐火