
短編
居眠りで異世界へ
匿名 2日前
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俺は授業中に寝ることが癖になってた時があった。
その時も、いつものように寝ようとしていた。すると、いつもと違う感じがするのがわかった。目をつぶると急にバーチャルの世界へ行ったような景色が広がった。
面白くなって色々散策していると大きな赤い門があることに気づいた。迷わずそこに入ると、髪の長い女が立っていた。(貞子みたいな)気にせずに前に進もうとすると、体が拒否するような脳が今しようとしている行動に逆らうようなそんな感じに襲われた。
なので、引き返そうとすると門が開かない。さっきまで軽く押したくらいで開いたのに。焦って振り向くと女はこちらへ近づいて来ていた。俺はそいつから逃れようと必死で走り回った。
女は中々のスピードで追いかけてくるので、一切緊張が緩むことはなかった。走っているうちに、もう一つの門があることに気づき、そこから出ると。一本道があった。
門から出てすぐは周りが花畑だったが進むにつれ、嵐になり横には死体みたいなものばかりになった。門をこえたあたりで女は追いかけこなくなった。
進むにつれどんどん心が追い込まれていく感覚に陥った。死にたい。楽になりたい。そんな気持ちでいっぱいになった。そんな時に後ろから声がした。知らない声だが優しい声で振り向きたくなった。
しかし、頭の中で振り向いてはダメだ。
という声がした。俺は必死で走った。
声はどんどん大きくなり、激しくなった。まるで俺を罵倒するように「振り向け!」と叫びつづける。
そして、門が見えてきた。開けて閉める時振り向くと、地獄のような世界だった。そして自分を恨めしそうに見る人々。その景色が目に焼け付いたまま、目が覚めると病院だった。
意味がわからなかった。何があったのかそばにいた両親に聞くと、事故にあったらしい、一度は生死をさまよったそうだ。しかし、なんとかこちら側に戻ってくることができた。
後日、見舞いにきた友人に聞くと、俺は普通に授業を受け、一人で帰ったそうだ。記憶はない。
その俺は誰だったのだろうか。あの世界は何だったのだろうか。振り向くなと警告してくれたのは誰だったのだろうか。あの出来事から居眠りをすることはなくなった。
しかし、今でもあの景色を鮮明に覚えている。一生忘れることはなさそうだ。
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