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消えた住所の話
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消えた住所の話

20時間前
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高校三年の冬、待ちに待った冬休みが始まった。ぼくは、兄の健二と一緒に祖父の山奥にある古い別荘へ向かうことになった。出発の日、父は仕事で行けないと言い、母も体調を崩していたため、兄が運転することになった。祖父の別荘は、冬の静けさの中にぽつんと建っていて、外は雪に覆われていた。

別荘に着くと、何か不気味な雰囲気が漂っていた。古い木造の建物は、まるで長い間人が住んでいないかのように静まり返っていた。健二は「大丈夫だろう」と言って、荷物を下ろしている。ぼくは少し不安になりながらも、火を焚いて暖を取ることにした。

しばらくして、健二が古い引き出しを開けていた。そこで一通の手紙を見つけた。それは祖父からのもので、内容は「この場所は決して一人で来てはいけない」という警告だった。健二は笑って「ただの迷信だろう」と言ったが、ぼくの心には不安が広がった。

夜が深まるにつれて、外からは不気味な音が聞こえ始めた。木のきしむ音や、風の音が混ざり合って、まるで誰かが近くにいるような錯覚に陥った。健二は「気のせいだ」と言って寝てしまったが、ぼくはなかなか眠れなかった。

ふと目を覚ますと、外は静まり返っていた。その時、窓の外に人影が見えた。ぼくは驚いて声をあげた。健二がすぐに起きて窓を見てみると、何もない。ただの雪が降る音だけが響いていた。

その後も不気味な現象は続いた。時折、誰かが家の中を歩いているような音が聞こえたり、何かがドアを叩く音がしたりした。健二は「お化けなんかいない」と笑っていたが、ぼくは恐怖でいっぱいだった。

ある晩、健二が外に出て行ったまま戻らなくなった。何度も叫んで探したが、返事はなかった。ぼくは恐怖に駆られ、手紙を再び読み返すと、そこには「この場所には何かがいる」と書かれていた。

翌朝、健二が戻ることはなかった。ぼくは急いで家を出て、近くの村に向かった。しかし、そこには誰もおらず、村は廃墟と化していた。その時、電話が鳴った。表示された番号は、健二の名前だった。

恐る恐る出てみると、健二の声が聞こえた。「ここは安全だ、でももう戻れない」と言って、電話は切れた。ぼくは混乱し、別荘へ戻ることにした。しかし、道は雪に埋もれていて、行く手は阻まれていた。

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