
時子の家の中から窓を見ると、外は雪が降り始めていた。
「雪か。」
「結構降ってるわね。」
庭には雪が積もって白くなっていた。
「恭太さん、今日はもう泊まっていって。」
「いいのかい?」
「いいのよ。誰もいないし。」
若い頃ならまだいいが、年寄りが雪の夜道を歩くのは少し心配だった。
私はお言葉に甘えて、泊まらせてもらうことにした。
時子は、隣の畳の部屋に布団を二枚敷き始めたので私も手伝った。
時子の旦那が来ていたという寝巻きを借りて、新しい歯ブラシまでもらって床についた。
「じゃ、おやすみなさい。」
時子は蛍光灯の紐を引き、部屋を豆電球の明かりにした。
外は静まりかえり、雪がしんしんと降っているようだった。
私は寝ようと思ったが、なかなか寝付けない。
隣では時子が目を閉じていた。
気づいてはいたが眼鏡を外した時子は割と綺麗な顔だった。
今はすっかりおばあさんになっているが、若い頃は結構美人だったんじゃないかと時子の顔形やさっきの玄関の写真を見て思っていた。
私は時子に近づいた。
すると、物音からか気づいて目を開ける時子だった。
「どうしたの?」
「いや、時子さんの寝顔が綺麗だからついつい見てしまって・・」
「そう?」
そして俺は時子に近づいた。
そのあと時子と天井を見ながら話していた。
「恭太さんの奥さんとはどんな感じだったの?」
私は長年連れ添った妻について話し、時子はしみじみと聞いていた。
また時子も夫とのことを話していた。
「恭太さんの奥さんって幸せだったわね。」
と時子がしみじみと言い、私は
「いや、今は時子さんも幸せだよ。」
「え?どういうこと?恭太さん・・」
「時子さん、綺麗だよ。」
「え?もう私なんて・・」
「そんなことないよ!」
俺は手を伸ばして時子と手を繋いだ。
「恭太さん、嬉しい・・」
・・
翌朝、私は時子の隣の布団で目を覚ました。
しばらくして時子が目を覚ました。
「おはよう。」
にっこりと微笑みながら言う時子の顔はとても綺麗だった。
ガラス戸の外を見ると、雪は止んで青空が広がっていたが地面には雪が積もっていた。
「時子さん、外の景色が綺麗だよ。」
私は景色を見ながら時子を呼んだ。
私のそばに来た時子は、
「本当ねぇ。」
「時子さん?」
時子は私のすぐ隣に座り、服越しに体が触れ合っていた。
私たちはしばらく景色を眺めていて、時子はずっと距離が近いままだった。
快晴の青空には明るい太陽が昇っていた。
・・
完
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