
私たちの住む高層マンションは、普段は静かで落ち着いている。だが、冬のある寒い夜、友人と一緒に映画を観終えた後、帰宅したときのことは忘れられない。時計は深夜1時を指していた。私は、帰宅後すぐに風呂に入るつもりで、急いで部屋を出た。
エレベーターから降り、長い廊下を進む途中、突然、背筋に寒気が走った。暗い廊下の先には、非常階段の扉があった。いつもは何とも思わないその場所が、今夜は異様に恐ろしい。おそらく、薄暗い照明のせいだろう。友人も私の様子に気がつき、「大丈夫?」と心配そうに声をかけてきた。
「うん、ただの暗闇が怖いだけ」と笑ってみたが、恐怖は消えなかった。私は思わず足を止め、非常階段の扉に目をやった。何かがそこにいるような、いやな気配を感じた。恐る恐るその扉を開けようとした瞬間、ぞっとするような寒気が押し寄せてきた。
「行こうよ」と友人が促す。その言葉に背中を押され、意を決して廊下の奥へと進んだ。だが、廊下はなぜか生暖かく感じ、まるで誰かがいるような気配を感じた。心臓が高鳴り、全身が緊張する。友人は後ろで何かをつぶやいているが、私の耳には入らない。
廊下を進むごとに、気配は強くなり、私の恐怖も増していった。やっとの思いで部屋にたどり着き、扉を閉じた瞬間、安心感が訪れる。だが、心のどこかで嫌な予感が消えない。風呂に入る気も失せ、ただその場に立ち尽くした。
数分後、友人が部屋を出て行った後、私はその場から動けなくなった。突然、視界が暗くなり、意識を失いかけた。目が覚めたとき、私は床に倒れていた。身体は動かず、まるで何かに捕らえられているかのようだった。布団がどこかに飛ばされてしまったのか、体が冷え切っていた。
朝になり、私は何事もなかったかのように目を覚ましたが、友人の姿はどこにもなかった。全身がひどく疲れ、まるで一晩中誰かに付きまとわれていたような感覚に襲われた。
それ以来、私は深夜に廊下に出ることを避けている。恐怖は一時的なものだと思っていたが、どうやら何かがそこに潜んでいるようだ。皆さんも、暗い場所で感じる不安を軽視しないほうが良い。意識の外で何かが動いているかもしれないから。
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