
小学校5年生の頃、私は山奥の村に住んでいた。そこは車が通る道さえ少なく、近くの自販機まで行くのも一苦労だった。そんな村で遊ぶ場所は山か、川しかなかった。
私と友人たちは、いつも山で遊んでいた。ある日、私は「禁じられた場所」に行こうと提案した。そこは大人たちが「入ってはいけない」と言っていた場所だった。私たちは興奮しながら、朝早くからその山へ向かった。
山道を進むと、周りの木々は異様に密集していた。そのうち、道が見えなくなり、私たちは緊張しながらも進み続けた。しばらく歩くと、ふとした瞬間に、木々の隙間から光が差し込み、空が開けた場所に出た。そこには甘い実がなっており、私たちはそれを見て歓声を上げた。
しかし、その時、視界の端に何かが動くのを見た。私はそれが人影だと思った。心臓がドキドキし、恐怖が襲ってきた。友人たちも不安そうな顔をしている。
「何かいる!」と叫びながら、私はその場から逃げ出した。友人たちも慌てて後を追った。逃げる途中、ふと後ろを振り返ると、そこには女性がいた。白い着物を着て、こちらをじっと見つめている。
私はその瞬間、体が硬直した。彼女の目は異様に大きく、まるで私を捕まえようとしているかのようだ。心の中で「逃げろ」と叫びながら、全速力で山を下りた。友人たちも私に続いていた。
道を見つけ、山を脱出する直前、私はまた後ろを振り返った。すると、女性がまだこちらを見ている。その時、近所のおじいさんが声をかけてきた。「お前たち、何をしているんだ!」
私たちはそのままおじいさんの元へ走り寄った。おじいさんは心配そうな顔で私たちを見て、山の中は危険な場所だと教えてくれた。私たちはその後、家に戻され、何が起こったのかを話した。
後日、祖母から「姫さん」と呼ばれる存在の話を聞いた。彼女は、山に住む精霊で、特に活発な子供を狙うという。父も同じような経験をしていたことを知り、私は恐怖に震えた。
その後、私は山に近寄ることができなくなり、しばらくの間、友人たちと遊ぶこともなかった。時が経つにつれ、少しずつその出来事は忘れ去られていったが、あの女性の目は今でも忘れられない。私はあの山に再び足を踏み入れることはなかったが、心の中には恐怖と興味が同居し続けている。あの山が持つ秘密を、いつか誰かが解き明かすことを願っている。
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