
これは私が村の廃墟を訪れた時に耳にした話です。
冬の夜、降り積もる雪が村を覆う中、私は古い廃墟を探検することに決めました。村は数年前の大火によってほとんど焼け落ち、今では不気味な静けさが漂っていました。
私が村の中心にある広場に足を踏み入れると、そこには一人の老人が佇んでいました。彼は私に向かって言いました。「この村にはまだ生きている者がいると思うか?」その言葉に驚き、私は「生きている者なんていないでしょう」と答えました。
しかし、老人は微笑みながら、「そうだろうか。私が見たものは、誰も信じない幻影だ」と言いました。興味をそそられ、私は彼の話を聞くことにしました。老人は言いました。「火が燃え盛った夜、私は村の外にいた。戻ると、村の人々がまだそこにいるように見えた。しかし、彼らは私を無視しているかのようだった。」
その言葉を聞いて、私は少し恐怖を感じました。老人は続けました。「何度も声をかけたが、彼らは振り向きもせず、ただ燃え続ける炎の中で踊っていた。私はその光景が夢か現か分からなかった。」
私は急に寒気を感じ、廃墟の奥へと進みました。すると、まるでその時の人々が現れたかのように、片隅から笑い声が聞こえてきたのです。驚いて振り向くと、誰もいない空間の中で、影が揺れ動いていました。
恐怖を感じつつも、私はその影に近づいてみました。すると、突然、私の後ろから老人が現れ、「見てはいけない」と叫びました。しかし、すでに遅かったのです。影は私の目の前でまとまり、かつての村人たちの姿が浮かび上がりました。
「助けて!」その声が響いた瞬間、私はその場から逃げ出しました。振り返ると、村は完全に静まり返り、老人も影も消えていました。
その後、私は村を離れ、二度と戻ることはありませんでした。幻影は本当に幻だったのか、私には分かりません。ただ、村の過去が今もそこに生き続けているのかもしれないと思うと、背筋が凍る思いでした。
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