
大学の春、私はある大きな講義室で授業を受けていた。教室には150名ほどが収容できるが、いつも一番前の席に座る女子生徒がいた。彼女は熱心に授業を受けているように見えたが、気になることが一つあった。彼女はいつも同じ制服を着ていたのだ。
不思議に思いながらも、私はその子と話すことはなかった。私の学部には300名以上の学生がいて、彼女のことを知る機会はなかったからだ。卒業してからは、特にその子のことを考えたことはなかった。
数年後、私は母校からの依頼で、OBとして企業説明会に参加することになった。懐かしさで胸が高鳴り、準備を整えて向かった。しかし、講義室の前に立った瞬間、何かが私を引き止めた。教室の中を覗くと、あの女子生徒が相変わらず同じ制服を着て、同じ席に座っているのが見えた。
その瞬間、全身に冷たいものが走り、気分が悪くなった。私は先輩に帰社するよう頼み、その場を離れた。あの子がいまだに同じ場所にいることが、私の心の中に恐怖を植え付けた。
数日後、同級生たちにその話をしたが、誰一人として彼女のことを覚えていなかった。私は霊感などないが、どうしても彼女が何者なのかが知りたくて仕方がなかった。特に恐ろしい結末があるわけではないが、このような不思議な体験が、実は本当の恐怖なのかもしれない。彼女は紛れもなく、教室の影のように私の記憶に残り続けている。
それ以来、母校には一度も足を運んでいない。あの影が、いつまでも変わらずそこにいると思うと、足がすくむのだ。彼女の正体は未だに謎のままで、心に深い不安を残している。彼女が何者なのか、知ることはできない。何が真実で、何が幻だったのか、今でも考え続ける。
私には恐怖の定義がわからないが、あの教室の中に潜む影は、決して忘れることのできない存在となった。
その後、同じ大学での出来事を思い出すたびに、私はいつも背筋が凍る思いをする。
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