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仕事を終えた彼女は、帰り道に廃墟の病院を通りかかった。冬の冷たい風が肌を刺し、思わず身震いした。自分のスマホを取り出し、音楽を流しながら進む。だが、どこか得体の知れない気配を感じる。

病院の入り口には、古びた看板がかかっていた。「ここは……」彼女は一瞬立ち止まる。周囲は静まり返り、足音だけが響く。振り返ると、誰もいない。背筋が冷たくなる。

「気のせいだ、気のせいだ」と自分に言い聞かせ、再び歩き出す。だが、足元から不気味な音が聞こえた。カチャ……カチャ……。まるで何かが這いずるような音がする。

彼女は急いで病院の中に入った。暗い廊下に足を踏み入れると、視界の端に何かが動くのを感じた。目を凝らすが、何も見えない。心臓が高鳴る。

「誰かいるの?」声を上げるが、返事はない。ただ、冷たい空気が彼女を包み込んだ。

廃墟の奥から、低い声が聞こえてくる。「ここは、あなたが来る場所じゃない……」彼女はその声に引き寄せられるように進んだ。すると、無機質な医療器具が散乱した部屋にたどり着いた。壁には、古い病歴がびっしりと貼られている。

「次は……無惨な治療室へようこそ……」声が響くと、背後から冷たい手が彼女の肩を掴んだ。振り返ると、そこには無表情の看護師が立っていた。手には血のついたメスが握られている。

「あなたも、治療が必要なのよ」と看護師は言った。彼女は恐怖で動けなかった。部屋の隅には、切断された手足が転がっている。「早く、診察しなきゃ」看護師は笑顔を浮かべて近づいてくる。

「助けて!」彼女は叫んだが、声は真空に吸い込まれる。逃げようとするが、足がすくんで動けない。彼女の目の前に現れたのは、全身に包帯を巻いた患者たちだった。彼らは彼女を見つめ、口を動かす。「一緒にいて、必要だ……」

彼女は意識を失い、次に目を覚ましたのは、再び廃墟の病院の外だった。心臓は激しく脈打っている。「夢、だったのか?」そう思いたかったが、背中には冷たい汗が流れていた。

一歩踏み出すと、振り返ったその瞬間、無表情の看護師が立っていた。「次こそ、あなたを治療しなければ……」彼女は再び恐怖に包まれた。

彼女は今も、深夜に病院の前を通るたびに、あの声が耳に残る。「いつでも、迎えに行くから……」

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はじめまして、よろしくお願いします。

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