
これは、僕が大学生だった頃の冬の夜の出来事だ。友人の一人が、古い図書館に隠された本を探しに行こうと言い出した。外は冷え込んでいて、雪がちらつく中、2時間かけてその図書館に向かうことになった。
図書館に着くと、友人の一人(Aと呼ぶ)が先に入っていき、もう一人(Dと呼ぶ)は仕事で遅れるとのことだった。Aと僕は、建物の古びた雰囲気に少しひるみながらも、興味を抱いて中に入った。
館内は薄暗く、古い本が所狭しと並んでいた。Aが一冊の本を手に取った時、ふと、彼の後ろに誰かの気配を感じた。振り返ると、見知らぬ女が薄暗い廊下の奥に立っていた。
女は微笑みながら、「ここには、隠された本がたくさんあるのよ」と言った。その瞬間、背筋に冷たいものが走ったが、僕は「本当に?」と答えた。すぐにAが本を置き、館内の奥へと進んで行った。
本を探していると、またあの女のことが気になり、「あの女、なんだったんだろう」と言った。すると、Aがスマホを見ながら「彼女はここに住んでる住人だよ」と言った。その言葉に驚いていると、Dから電話がかかってきた。
「今、図書館の前に着いた」と言うDの声が聞こえた。僕たちは急いで外に出て、Dを迎えに行こうとした。しかし、外は真っ暗で雪が吹雪いていた。
急いで図書館のドアを開けるが、なぜか開かない。Aと僕は焦りながら、裏口から出ることにした。外に出ると、雪が積もった道にDの姿が見えた。だが、Dは誰かと話しているようで、視線は定まっていない。
「D!」と叫んだ瞬間、Dが急に踊り出した。奇妙な動きで、まるで何かに取り憑かれているかのようだった。その時、背後からあの女の声が響いた。「彼を離してはだめよ。」
恐怖に駆られた僕は、Aと共にDを引き寄せようとしたが、Dはそのまま踊り続け、目が虚ろになっていた。すると、女が微笑みながら近づき、Dの手を取って何かを囁いた。全身に凍りつくような恐怖が走った。まるでDの魂を奪おうとしているかのように。
その瞬間、Aが思わず「やめろ!」と叫んだ。それに反応して、女は驚いた様子で後退し、闇の中に消えていった。Dはその場で崩れ落ち、僕たちも動けずに立ち尽くした。
後日、図書館を訪れた時、あの女の姿は見えなかったが、館内には奇妙な本が一冊、増えていた。表紙には「カエルの影」と書かれていた。あの日の出来事は、決して忘れられない恐怖として心に残っている。彼女は、まだどこかにいるのだろうか。
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