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長編

僕の地獄と彼女の地獄

匿名 3日前
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救急隊や医師たちの必死の救命措置で奇跡的に息を吹き返したそうだ。 しかし脳に血液が回らなかった時間が長かったせいか、その後6年間僕の意識が戻ることはなかった。 刑事たちの話す言葉は、とてもゆっくりとした丁寧な口調ではあったが、その目にははっきりと憐みが浮かんでいた。 その話し方はまるで、小さな子供におとぎ話を読んで聞かせるように落ち着いたものだったが、僕にはまるで理解が出来なかった。 そして、覚えている限りでいいから事件当日のことを話してほしいと付け加えた。 捕まった犯人はすでに刑務所にて服役しているが、取り調べから一貫して無罪を主張していたこと。 被害者である僕が、何度も滅多刺しにされているにも係わらず、手や腕に一切の抵抗の跡がないこと。 普段から僕が仕事で留守の時に、何度もアパートに犯人を連れ込んでいたおかげで、部屋中に男の指紋はたくさんあったが シンクで発見された凶器とみられる包丁には、僕の血液が付着していて洗い流した跡は全くないのに、犯人の指紋どころかDNA、 手袋などを使用した形跡が全く見られなかったことなどを聞かされた。 話を聞きながら僕の頭は混乱に混乱を極めた。 僕の記憶とまるで違う。 彼女が浮気? そういえば意識を取り戻してから、一度も彼女に会っていない。 胸の傷を指でなぞりながら、僕は自分の記憶に残っていることをありのままに話した。 明らかに刑事たちは落胆した顔だった。 自分が自分を殺しにやってくるなんて、事件の後遺症から悪い夢をみてたのだろう。 何度も繰り返される同じ質問に、何度も同じ答えを繰り返す。 陽が落ちかける頃、まるで無駄足だったと、あからさまに不機嫌な態度を隠す様子もなく二人は病室をあとにした。 犯行の動機としては十分なのかもしれない。 僕は刑事たちから聞かされた事件の話を、一つ一つ思い出して考えてみたが、何日経っても僕の記憶が間違っているとは思えなかった。 なんの根拠にもならないが、ついさっき起きた出来事のように生々しさがあり、記憶には未だ体温が残っていた。 それに、すでに終わっている事件について、わざわざ刑事が聞き込みに来るなんてことがあるのだろうか…? 多少の記憶の混乱はあったが、それは時間とともに改善する可能性があると、僕は無事に退院することが出来た。 特に大きな支障をきたすようなこともなく、問題なく日常

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