
長編
守護刀
baron 2020年9月26日
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急に嘔吐してしまい、これ以上はやめようということでその日は解散になった。
A兄がB姉に付き添うからということで車送ってもらえなくなった俺とAは、A兄とB姉カップル顔負けのベッタリ具合で帰路についた。
翌週土曜日、お祓いをしてもらうためにA兄の車でお寺に行くことになった。
ちなみにこの土曜日を迎えるまであの駅に近付くのが怖かった俺は家から自転車で片道1時間かけ汗だくになりながら学校に通った。
お寺につくと、少しイカつい感じの坊さんが待っていましたと言わんばかりに小走りで出てきた。A兄が事前に電話で色々話をしていてくれたようだった。
念の為A兄も一緒に皆でお堂でお祓いを受け、拍子抜けしてしまうくらいあっさりとその儀式は終わった。
坊さんに菓子折りなんかを渡して、一通りお礼をした。皆で渡そうとしていた気持ち程度のお金が入った封は受け取って貰えなかった。
本当にありがとうございました、と再度礼をしてA兄の車に戻ろうとしたとき
俺だけが「ちょっと」と坊さんに引き止められた。
少し待ってて!とみんなを先に車に戻らせて、再度坊さんに続いてお堂に入った。
坊さん「私は〇〇というもので、長くこの仕事をしているけれど、これを人に渡すのははじめてです」
と、傍らにある棚の奥の方からおおきな巾着取り出して、その中身を俺に手渡した。
脇差にも及ばない、ドス?くらいの
15センチものさしより少し長い、びっしりと龍の彫刻の入った鍔のない刀のような物がその巾着には入っていた。
坊さん「これは△△セイリュウトウ(ソウリュウトウ?)と言って、簡単に言ってしまえば持つものを霊的な物から遠ざける刀です。どのような経緯で生まれたかは存じておりませんが、先代にこのようなお祓いの儀を執り行うことがあったとき、渡すようにと言われておりました。」
いきなりのことでかなり動転していたが、どうして俺だけなのかと気になり、恐ろしかったが坊さんに訪ねた。
俺「どうして、俺…?なんでしょうか…?」
すると坊さんは、とても優しい表情と口調で、怖がらずに聞いてくださいねと前置いてから話した
坊さん「お連れの方達は、先程のお祓いでまず大丈夫でしょう。ただ、あなただけはそのまま返すわけにはいかなかった。何故かはわかりませんが、悪いものがあなたに成り代わろうとしています。あなたに危害を加えようというものではありません、ただ、生前にやり遺した何かをあなたに代わって果
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