
最近、大学生のころの友人、智樹と再会した。久しぶりの再会に盛り上がり、昔話に花を咲かせていると、人面犬の話題が出た。人面犬とは、犬の体に人間の顔を持ち、言葉を喋るという都市伝説的な存在だ。智樹と私は、子供の頃に人面犬を見た経験があり、その時の驚きを語り合った。
別れ際、またゆっくり話そうと連絡先を交換し、家に帰ると、ふと思い出したことがあった。私たちが見た人面犬の顔は、同級生の真琴の顔だった。実は、その真琴は翌日、事故で亡くなったのだ。
嫌な予感を抱えつつも、そのことを忘れようと努力していた。だが、仕事が忙しく、心の片隅には人面犬の記憶が残っていた。
そんなある晩、遅くなって帰宅する途中、背後からヒタヒタヒタという音が聞こえた。振り返ると、柴犬に似た犬がこちらを見ていた。顔は見えないが、何かが気になり、スマホのライトで照らしてみた。すると、その犬の顔は、真琴の顔だった。
驚きのあまり、後ずさりすると、犬は私に近づき、泣きながら「助けて、私の体が戻らない」と訴えてきた。恐怖で固まる私に、真琴の面影が涙を流していた。恐怖心が勝り、私は「何もできない」と叫び、逃げ出した。
急いで家に入り、鍵を閉めると、心臓がバクバクと鳴る。落ち着こうとした時、ふと真琴のことが頭をよぎった。もし人面犬が、これから亡くなる人の顔をしているのだとしたら、智樹も危ないかもしれない。急いで智樹に電話をかけ、注意を促したが、彼は最初は信じなかった。しかし、真琴のことを思い出し、気を付けると約束してくれた。
翌日、智樹が事故に遭ったという知らせが入った。もっと具体的に警告すれば良かったと後悔しながら、私はお通夜に参加した。その帰り道、またあのヒタヒタヒタという音が後ろから追いかけてきた。恐怖のあまり、振り返ることもできずに家まで逃げたが、足音は増すばかりだった。
どうにか家に到達し、震えながらその音を聞いていると、玄関の外からカリカリと引っかく音がした。それはまるで真琴の声で「開けて、遊びたい」と呼びかけているようだった。恐怖で心が張り裂けそうになりながらも、私は絶対に開けなかった。何時間もその声に耐え、朝を迎えると、声も音も消えていた。
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