
私の住む山奥には、小さな小屋がある。冬の夜、吹雪が吹き荒れる中、私はその小屋で食材を整理していると、突然、外から「キュルキュル ドーン」という音が響いた。やがて、雪に埋もれた車の姿が目に入った。
気になって外に出てみると、車の側から若い夫婦が降りてくるのが見えた。彼らは自分たちの車が事故を起こしたことに困惑している様子だった。私は心配になり、近づいて声をかけた。「大丈夫ですか?寒いのでうちで待っていてもいいですよ。」
すると、夫婦は不思議そうな顔で言った。「私たちだけなので大丈夫です。」確かに、彼らは明らかに若く、子供を連れている様子はなかった。しかし、なぜか私は小屋の中に彼らの子供がいるのを感じた。何かが、私の背筋を冷たくした。
雪の上には、彼らの足跡とは別に、もう一つの小さな足跡が続いていた。誰もいないはずなのに、見えない子供が私を誘っているかのようだった。私は恐怖にかられ、思わず小屋の中に戻った。すると、外の声が次第に消えていくのを感じた。
翌朝、周囲を確認すると、雪が降り積もり、足跡はまったく消えていた。夫婦の車も見当たらず、まるで彼らが最初から存在しなかったかのようだった。あの子供は一体どこに行ったのだろうか。私の心には、疑念と恐怖が深く刻まれることになった。何かを伝えたかったのだろうか、あの小さな影は。私は今でも、雪の降る夜になると、そのことを思い出す。恐怖が、心の奥に静かに棲みついているのだ。
何度も振り返るが、再びあの足跡を見ることはなかった。だが、あの夜の出来事は、私の記憶の中で決して消えることはない。あの小さな影の正体は、今も謎のままだ。
何が本当で、何が幻だったのか。冬の夜の静寂の中で、今もその問いが私を苦しめ続けている。
あの影は、確かに存在していたのだろうか。それとも、ただの錯覚だったのか。私はこの先、何度も同じ疑問を抱えることになるだろう。
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