
これは友人と夜の街に繰り出したある冬の体験談です。私たちは都会の喧騒を逃れ、静かな通りを歩いていました。雪がちらつく中、私たちは古いアパートの前を通り過ぎたのですが、その瞬間、どこからともなく女の子の笑い声が聞こえてきました。
不気味な雰囲気に包まれたそのアパートは、窓が割れ、壁は剥がれ落ちた状態でした。私たちは好奇心からそのアパートに入ることにしました。中は薄暗く、存在感のある古い人形が転がっていました。その人形の目が、まるでこちらを見つめているかのように感じました。
私たちは少し進んでみることにしました。やがて、廊下の奥からまたあの女の子の笑い声が聞こえてきました。心臓がドキドキし、何か悪い予感がしましたが、無視して進むことにしました。
その先にある部屋のドアが少し開いていて、薄暗い中には人形が並べられていました。気持ち悪くなりながらも、私はその中の一体に目をやりました。その瞬間、耳元で「遊ぼうよ」という囁き声が聞こえました。驚いて振り向くと、そこにはあの笑い声の主である女の子が立っていました。彼女の顔は不気味に歪んでいて、私は恐怖で動けなくなりました。
急いでその場を離れようとしましたが、後ろからは人形の声が聞こえてきました。「一緒に遊びたい」と繰り返し囁く声が耳に残り、私は逃げ出しました。外に出ると、雪が静かに降り続いていましたが、そのアパートからは何かがこちらを見つめているような気配を感じました。
後日、友人にその出来事を話すと、彼も同様の声を聞いていたと言いました。しかし、彼は女の子の姿を見ていなかったそうです。私たちはそのアパートについて調べることにしましたが、記録にはその場所のことが何も載っていませんでした。まるで、そこには存在しないかのように。
今でも、あの冬の夜の出来事を思い出すと背筋が寒くなります。あのアパートには、今も誰かがいるのかもしれません。私たちが見たものは、決してこの世のものではなかったのかもしれません。
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