
秋の夜、僕たちは肝試しのために古びた公園にやってきた。その公園は、閉鎖されたままの遊具が放置され、薄暗い木々に囲まれていた。霧が立ち込め、周囲は不気味な静けさに包まれていたが、僕たちはその雰囲気に興奮していた。
友人たちと一緒に、少しでも恐怖を感じようと遊具の周りを探り回った。すると、その時、見知らぬ男が公園の奥から姿を現した。40代の男で、髪は長くボサボサ、目はどこか狂気じみていた。
男は無言でこちらを見つめていたが、僕たちはその視線を気にせず、遊びを続けていた。すると、男が突然近づいてきた。「一緒に遊べ」と低い声で言った。友人たちは戸惑いながらも、何となく彼を受け入れてしまった。
だが、男はすぐにゲームに参加することなく、ただ僕らの周りをうろついていた。しばらくして、彼が僕に近づき、耳元でささやいた。「家族はいるのか?」と。僕は恐怖に駆られ、何も言えなかった。男の目がこちらを見つめているその瞬間、僕は身動きが取れなくなった。
友人たちが気づき、男の存在に不安を感じ始めた頃、男は再び僕に近寄り、「一緒に帰ろう」と言った。その言葉に、僕は心臓が止まりそうになった。男の手が肩に触れ、力強く握りしめられる。逃げることもできず、ただ恐怖に震えていた。
友人たちが帰ろうと言い出したとき、男は「俺が送ってやるから、先に行け」と言った。僕は恐怖で涙がこぼれ、声を震わせながら「一緒に帰る」と言った。友人たちは不安そうな顔をしていたが、男の言葉に従うしかなかった。
男に引きずられるようにして公園を出たが、彼が連れて行く方向は自宅とはまったく逆だった。気づいたときには、男の手が僕の唇に触れていた。混乱し、声を出せずにいた。
その後、男が僕を薄暗い場所に連れ込もうとした瞬間、友人たちが教師を呼び戻し、教師たちが駆けつけてくれた。男は逃げ去り、僕は助け出されたが、心の中に深い傷が残った。
数日後、ニュースでその男が逮捕されたと報じられた。彼は過去に何人もの子供たちを襲い、恐ろしい事件を起こしていたことが明らかになった。僕はそのことを知り、胸が締め付けられる思いだった。あのとき、逃げることができたのは奇跡だった。あれ以降、僕は二度と肝試しには行けなくなった。
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