
ある冬の夜、大学生の私は寺院でバイトをしていた。帰り道、外は雪が降り始め、視界が悪くなっていた。寺院の住職から「今日は遅くなるから、寺の番を頼む」と言われていたので、私は小学生の妹を呼び寄せることにした。
妹は私の仕事を手伝うために来ることになっていた。バイトが暇だったため、少し遊びながら待っていた。寺院の裏手には倉庫があり、そこには古いお守りがしまってあった。妹と一緒にそのお守りを眺めることにした。
しかし、午後8時を過ぎた頃、急に外で大きな音が響いた。地鳴りのような音が続き、私たちは恐れおののいた。妹が「これ、怖いよ」と言ったとき、私は「大丈夫、すぐ住職が戻るから」と言ったが、心の中では不安が募るばかりだった。
その時、倉庫の奥から微かな声が聞こえた。「おい、入れてくれ…」という声が、寒さで震える私たちの耳に届く。何者かが助けを求めているようだった。私はその声に引き寄せられ、倉庫の扉を開けた。
すると、暗闇の中で異様なものが目に入った。古びたお守りが黒く変色し、まるで生きているかのように蠢いていた。その瞬間、妹が私の腕を掴んで「お兄ちゃん、やめて!」と叫んだ。彼女の目は恐怖で大きく開かれていた。私もその恐ろしい光景に目が離せなかった。
「お守りが…何かおかしい…」と呟くと、妹は「私、怖いの。帰りたい」と泣き出した。私は妹を抱きしめ、逃げようとしたが、その時、倉庫の扉がバンと閉まった。私たちは閉じ込められてしまったのだ。
その瞬間、寺院の中から住職の声が聞こえた。「おい、何をしている!」と怒鳴る声に、私たちは慌てて振り向いた。住職が駆けつけてくれたが、その表情はいつもとは違った。
「お前たち、何を見た?」住職は私たちの様子を見て、恐れを感じたようだった。私は異変を説明しようとしたが、言葉が出てこなかった。住職はすぐにお守りを取り上げ、「これは封印されていたものだ。無闇に触れてはいけなかった」と言った。
その後、住職はお守りを祭壇に戻し、厳かな儀式を始めた。私たちはその場で見守るしかなかった。儀式が進むにつれ、周囲の空気が変わり、緊張感が漂った。お守りは徐々に元の姿を取り戻していくように見えた。住職が最後の言葉を唱え終えると、静寂が訪れた。何事もなかったかのように、倉庫は元の静けさを取り戻した。
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