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短編

山道の女

2日前
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私の実家は、山道をしばらく行ったところにあります。 山の中にぽつんと一軒建っているような家屋で、それより先には小屋の一つもなかったと記憶しています。 小学生の時分でしょうか。 家に帰る山道で、毎日決まってすれ違う女性がいました。 その女性は、いつも茶褐色のワンピースに赤い大きな帽子を被っていました。 今思い出してみれば、怪しいモノです。 しかし、小学生の私は「変な人だなぁ」程度の感想しか抱いていませんでした。 あんまりよく会うモノだから、次第に親近感が湧いてきました。 ある日、女性に向かって挨拶してみました。 「こんにちは!」 女性はピタッと立ち止まりました。 一呼吸ほどの間を置いて、顔をスッと上げました。 色白の顔に真っ赤な口紅をしており、大きく見開かれた目が特徴的であります。女性は張り付いたような笑顔でこちらを見つめています。 「ごきげんよう」 女性は一定したトーンでそう返してくれました。 その風貌にギョッとした私は、ペコリとお辞儀だけして、すぐさまその場を離れました。少し離れたところで、振り返って見た女性が、まだ私のことを凝視していたことが印象的でした。 それからも女性と山道ですれ違う日々は続きましたが、ある日を境にパッと現れなくなりました。 あのときの女性の表情は、今もはっきりと覚えているほどに不気味でした。 今も山道を歩いていると、あの無機質な笑顔で私を見つめているんじゃないかと、不安になるほどです。

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