
長編
妹x狐狗狸さん
まなみ 3日前
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っていた妹が一声上げた。
持っていたマジックをテーブルに置き、出来上がった紙を俺にドヤ顔で見せてくる。
紙には数字と五十音のひらがな、はい、いいえ、そして中央に鳥居が書かれていた。
まあよく見るオーソドックスなタイプのコックリさんだ。遊び程度ならこれで十分。
「さてと、じゃあやりますか」
俺はそう言ってから十円玉を財布から取り出し、紙の上に置いた。
すると妹はそれに飛びつき、
「はいはーい!私、私から質問する!」
と、妹はおおはしゃぎ。俺は半分呆れつつもはいはい、と返事し、十円玉に人差し指をそっと添えた。
同じようにして妹も十円玉に人差し指を添える。
「コックリさんコックリさん、お兄ちゃんの好きな人は誰ですか??」
「おいおい!」
なんて妹だ、油断も隙もない。
俺は人差し指に全身全霊の力を込めて、妹の極悪な質問を阻止してやった。
「動かないねぇ」
当たり前だ。妹の不満そうな声に内心つぶやいている時だった。
テゥルルルルル……
突然鳴り響いた音に、俺は部屋の隅に目をやった、電話だ。
「ちょっとタイムな」
俺は十円玉から指先を離すと、ソファーから立ち上がった。
「あーお兄ちゃん、途中で十円玉から指を離したら呪われるんだよ!?」
妹が俺を指差しながら言ってきた。
「はいはい、呪われた呪われた」
片手をヒラヒラさせながら妹に返事を返すと、俺は軽いため息を尽きながら受話器を取った。
「もしもし、」
受話器を耳に当て返事をする、が、その時だった。
「あ、お兄ちゃん?私だけど、今友達の家にいるんだけどさ、」
「えっ……」
俺は一言だけ返すと、一瞬で頭が真っ白になった。
私だけど……?私って、何で、何でだ??
「ちょっとぉ、しばらく会わないだけで妹の声すら忘れちゃったわけ?」
そう、この声は忘れもしない、妹だ、妹の声だ。
いや、待て、何で受話器から妹の声が聞こえるんだ?おかしいだろ?
混乱する俺を余所に、受話器から妹の声が響く。
「まあいいや、それよりさ、ごめんね、今日テレビつけっぱなしだったでしょ?急いでてさ、消すの忘れちゃって、あはは」
テレビ?いや、テレビなんてどうでもいい、何だ、一体なんの冗談だ?
妹がおかまいなしに話を続ける。
「あ、それよりちょっとお願いがあるんだけど、実はさ、私の部屋の窓開けっ放しに、」
が、そこまで聞こえていた妹の声が、突如プ
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- 実話ではなさそうだが、結構いい感じ。匿名