
長編
妹x狐狗狸さん
まなみ 2日前
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かった、やるから離せって、一回だけだからな?」
「いえ~いやったね!」
相変わらず軽い奴だ。
「準備してくる~!」
俺が深くため息をつくと、妹はそんな俺にはおかまいなしにソファーから立ち上がり、二階の自分の部屋へと急ぎ足で向かった。
それにしてもよりによってコックリさんとは。
実は大学で心理学を選考している俺は、丁度この夏休みに入る前に、大学の教授から偶然にもコックリさんの話を耳にしていた。
授業中、雑談交じりに教授が話してくれたことだ。
そもそもコックリさんとは、テーブルターニングという、西洋の占い?儀式?の一種が起源とされている。
数人でテーブルの上に手を乗せ、やがてテーブルが一人手に勝手に動いたら、参加者の中に霊能力者いるというもの。
それが日本に渡り、名を変えやり方を変え、今のようになったらしい。
そんなコックリさんだが、一部では降霊術だとか催眠術だとか言われているが、一番有力に思われているのが、筋肉疲労説、潜在意識説だと言われている。
筋肉疲労説とは、硬貨に指を添える体勢を取り続ける際に、同じ姿勢を取り続ける事で、あっという間に筋肉が疲労してしまい、僅かに腕が動いてしまう事で生じる、不覚筋動と言われるものだ。
じゃあ潜在意識説とは何か、これは無自覚に指が硬貨を動かすという説だ。
テレビ番組で行われた実験だが、小学生を対象とした検証を行った際、日本の首都や人気野球選手の背番号といった質問では、
十円玉が正解を指し示したが、
簡単な英語での質問や過去のアメリカ大統領の名前など、本人達の知識を超えた問い掛けには、紙の上を十円玉が迷走するだけだった。
また、被験者の小学生にアイマークレコーダーを装着させ視線の動きを観察したところ、質問を聞いた際、十円玉の動きに先行して回答となる語句の文字を目で追っていたとのこと。
ほとんどは自己暗示なのだが、悪いことが起きると霊のせいだと思い込んでしまう事がよくある、これが潜在意識説だ。
つまりコックリさんとは、科学で裏づけされた、ただの時間のムダとしか言いようがない遊びという事になる。
「お待たせ~」
妹が階段をドタドタと駆け下り、リビングへと戻ってきた。
コックリさんが何たるかを説明してやりたいところだが、久々の兄妹水入らず、ここは兄らしく振舞おうと、俺はあえて妹の遊びに付き合うことにした。
「よし、できた!」
紙に真剣な表情で向き合
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- 実話ではなさそうだが、結構いい感じ。匿名