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長編

妹x狐狗狸さん

まなみ 3日前
怖い 484
怖くない 443
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ツっという音と共に切れてしまった。 一瞬で凍りつく室内。 夏だというのに俺の全身には冷たい汗が滲んでいた。 心臓がバクバクと激しい音を立てている。歯の根が合わない、カチカチと口から音が漏れる。 「お兄ちゃん……」 先ほどとは違う妹の声が後ろから響く。いや、妹だったはずの者の声。 くぐもったような、ひしゃげた女の声。 妹の声とは似ても似つかない。誰だ、今、俺の後ろにいる奴は一体誰なんだ…… 確かめたい、この目で、しかし体がいう事をきかない。 恐怖のせいか、俺の足は床に縫われてしまったかのようにビクともしない。 が、次の瞬間、 「お兄ちゃん、こっち向いてよ~」 耳元でハッキリと聞こえた。 俺は反射的に声の方に振り向いた。 そこには、長い黒髪の女の顔があった。 両の目は閉じていて、隙間から赤い血が滴り落ちている。 口は大きく裂けたように開かれ、真っ赤な血のようなものが口の端に見て取れる。 そのおぞましい口が、ゴボゴボと音を立てながらゆっくりと開き、こう言った。 「呪われるって言ったでしょう~?ヒヒヒッ……!」 そこで俺の意識は絶えた。沈み行く意識の中、しゃがれた女の声がいつまでも、俺の耳に響いていた。 あれから三年。 社会人となった俺は、あれ以来一度も家に帰っていない。 忙しいを口実に、俺は実家に帰るのを意識的に避けていた。 もうすぐまたあの夏がやってくる。 今年のお盆も、やはり実家に顔をだす勇気はない。 どう断ろうかと頭の中で整理していると、不意にスマホの着信が鳴った。 スマホの画面には見慣れた名前が表示されている。 妹の名前だ。 俺はゴクリ、と喉を鳴らすと、僅かに震える指で通話ボタンを押した。 「も、もしもし……?」 「あ、お兄ちゃん?久しぶり~どうそっちは?元気にやってる?」 妹の声だ。明るく元気な声。大丈夫、これは妹の声だ、間違いない。 「あ、ああ、元気だよ。ごめんな、なかなか顔だせなくて。で、どうしたんだいきなり?」 なんとか取り繕うと、俺は慌てて返事を返した。 「ううん、元気ならいいんだ、それよりさ、」 「ん?」 いつもと変わらぬ声に、俺は少し安心し、ほっと一息つきながら返事を返す。 「また、コックリさんしようねぇぇぇぇぇ!」 スマホが俺の手を滑り落ちるように床に落ちた。 スピーカーからは、あの夏の日に聞いた、おぞましい笑い声が、俺をなぶる

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  • 実話ではなさそうだが、結構いい感じ。
    匿名
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