
約5年前の冬の深夜、私は新たに都市の小学校向けの塾でアルバイトを始めた。
数週間の研修を経て、私は直接指導に入ることになった。生徒たちは主に小学生で、集団授業を担当することが多かったが、個別指導も時折行っていた。
その日は、最後の授業が終わった後、2人の小学生(男の子1人、女の子1人)が私の元にやってきた。彼らは私の教え子で、授業中はおとなしかったが、今は何やら不穏な空気を漂わせていた。
「先生、ちょっといいですか?」
「もちろん、どうした?」
「実は、幽霊を見つける方法があるんですけど、やってみませんか?」
私はその提案に驚きつつも、彼らの好奇心を無碍にするのもかわいそうだと思い、軽い気持ちで同意してしまった。
「じゃあ、まず目を閉じて、自分の家のリビングをイメージしてみて。」
「はい、できた!」
「次に、リビングの窓を全部開けてみて。開けたら教えてね。」
しばらくして、「開け終わった!」という声が聞こえた。
「今度は、窓を閉め直してみて。開けた時に誰かとすれ違ったかどうかを思い出して。」
「うーん、ちょっと時間がかかるな…」
「全部閉めたけど、特に誰ともすれ違ってないよ。」
「じゃあ、もしすれ違ったらどうなるの?」
「その場合、先生の家にその幽霊がいるってことなんだ!」
私は笑って答えた。「残念だったな、何もなかったよ。」
彼らはがっかりした様子で帰って行った。
しかし、授業の後、私は思い出していた。実は、窓を閉める際、私は背後に何かを感じていたのだ。まるで誰かが私を見ているような視線が、じっと後ろから注がれている気がしてならなかった。
その夜、自宅に帰ると、急に部屋が不気味に感じ始めた。何かが私を見つめている、そんな感覚が続く。
眠ることが怖くなってしまった。あの時、私は本当に何かとすれ違ったのだろうか。もしかしたら、知らなくてよかったことがあったのかもしれない。視線を感じるたびに、心はざわざわとした。
人間、知りたくないこともあるのだと、強く思い知らされた。
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