
長編
廃病院にて
匿名 8時間前
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は数段マシだと思い皆に話すと、皆も1人で帰るのは怖かったらしく、全員先輩の家に集まることになった。
先輩の家に到着し部屋に上がると、先輩と先輩の車に乗っていたメンバーが膝を突き合わせて座って何か話している。
先ほどの彼は帰り道で落ち着いたらしく、当たり前に会話しているようだ。
「まぁ、座れよ」
男8人、円になると膝を突き合わせて座った。真ん中にはティッシュの上に何かが置かれている。
「どうしたんです?皆暗いし、なんかあったんですか?」
しばらくの沈黙の後、先輩が口を開いた。
「メスだ…」
先輩が皆の中心にあるティッシュの上に乗せられた細い棒のようなモノを指差した。
「手術に使うメスだよ。こいつが急に走っていったろ?あの時に何処からか拾ってきたらしい」
よく見るとそれは確かに手術用のメスだった。
本人は全く記憶にないらしく、ただいつの間にか握っていたのだと言う。
あんな瓦礫の山の中で、しかもライトも持たずに、こんな小さなモノを?
「○○さん仕込んでたでしょ〜」
私は笑いながら例の彼に話しかけると先輩がそれを止めた。
「違うんだよ」
なぜ先輩が違うと言いきれるのか不思議に思った私は
「なんで先輩がそんな事分かるんですか」
と言いかけた時だった
携帯が鳴った。この着信音は先輩のものだ。
「これだよ…」
先輩が私たちの前に携帯を放り投げた。
携帯のディスプレイには非通知の文字が浮かんでいた。
「出てみろよ…」
先輩と先輩の車に乗っていたメンバーは全員青い顔をして携帯を見つめていた。
私が出ることにした。
「もしもし…」
「ジジジ…ジジジ…」
ノイズのようなモノが聞こえる。
「もしもし?」
「ジジジ…S…ジジジ…S病…院です。手術ができ…せん。メスを返し…ジジジ…ください」
私は通話を切ると携帯を放り投げた。
男の声だった。低い、脳内に直接届くような、恐ろしい声だった。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!何の冗談ですか!!そうやって私ら馬鹿にしてんですか!!」
私は震える声で、無理に笑顔を作りながら先輩たちに問いかけたが、先輩たちに笑顔は無い。
「な?ヤバいだろ?」
先輩がそう言って携帯を拾おうとした瞬間
また携帯が鳴り始めた。
皆の顔が青ざめる。私はさっきの恐怖が蘇り全身の血の気が引き、背中には冷たい汗が流れた。
「どうするよ?」
メンバー
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- 行く方が悪いとおもう。自業自得。Nanoarchaeum
- まあ、窃盗は犯罪だから、警察沙汰にならなくてよかったなタカシ
- ジジジ.....ジ...(・∀・)とめいとぅ
- まじ怖いあ
- 凄く昔の話ですネ!聞いたことあります。Rail
- 怖い。れん
- やにやにゆなにやまゅひゆににや死ぬほどこわかった
- 怖白夜
- ····凄く怖かったです。ニャンネイp