
長編
廃病院にて
匿名 3分前
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いた。
各々、ライトも自分専用を持ってきているようだった。
風呂場と思しき場所に着いた。
大浴場らしき浅いコンクリートの大きな湯船?が真ん中にあり、天井部は銭湯のように男湯と女湯を繋ぐ謎のスペースが空いている。
「ここ何か雰囲気がイイねぇ〜」
先輩がポケットからカメラを取り出した。
すると、皆が合図もなく真っ暗闇にも関わらず綺麗に列を作りカメラにポーズする。
そう、私たちの目的は心霊写真の撮影。
こういう事に関しての連帯感は素晴らしい。
「はい、チーズ!」
…。
… …。
いつも飛んでくるはずのカメラのフラッシュがない。
「先輩どうしました?」
私が駆け寄ると
「ん?カメラ壊れたかな?シャッターが押せないんだよね」
いつも明るくて冗談の好きな先輩の事だ。
またいつもの冗談だろうと思い、
「勘弁してくださいよ〜。自分らそのくらいじゃビビりませんよ?」
そう言うと、先輩は真面目な顔で
「いや、マジで押せないんだわ」
とだけ応え、ライトでカメラの状態を確認していた。
その時、
パシャ!
乾いた音と共に大浴場が照らされた。
「お、直った!写真撮ろうぜ !」
先輩がそう言った次の瞬間、
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
メンバーの1人が急に叫ぶと、暗闇の中をライトも持たずに別の部屋へと走っていった。
一瞬の沈黙が辺りを包む…
「おい!追い掛けるぞ!」
先輩の声で皆は我に返った。
手分けして他のメンバーが迷子になるのも危険なので、皆で固まり1部屋ずつ見て行くことにした。
さっき走っていった彼はすぐに見つかった。
大浴場から20mほど先だろうか、元病室らしき部屋の真ん中に座っていた。
皆で駆け寄り声をかけると
「ゴメンなさい…ゴメンなさい…ゴメンなさい…」
そう繰り返し呟いていた。
こちらの問い掛けには反応がない。
これ以上は無理と判断した私たちは、病院を出ることにした。
帰りの車内、皆無言だった…。
ただ何を考えていたかは想像がつく。
前を走る先輩の車にのった彼のおかしくなった姿を思い出し、彼がどうなったか、それだけだったと思う。
私もそうだった。
しばらく車を走らせた時だった。
私の携帯が鳴った。先輩からだ
「はい、もしもし」
「おい、ちょっと全員俺の家に集合な」
どこか暗い先輩の声が引っ掛かったが、1人でアパートに戻って寝るより
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- 行く方が悪いとおもう。自業自得。Nanoarchaeum
- まあ、窃盗は犯罪だから、警察沙汰にならなくてよかったなタカシ
- ジジジ.....ジ...(・∀・)とめいとぅ
- まじ怖いあ
- 凄く昔の話ですネ!聞いたことあります。Rail
- 怖い。れん
- やにやにゆなにやまゅひゆににや死ぬほどこわかった
- 怖白夜
- ····凄く怖かったです。ニャンネイp