
(「扉越しに助けを求める少女」の続き)
山道を走るワンボックスカー。
運転席に座る男は、慣れた手つきで車を飛ばしていた。
(舞歌!舞歌!!)
桜子は心配そうに、同じく後部座席に座らされている舞歌を見ていた。
桜子は倉庫の中のまま後ろ手首や胸の周りを縛られ猿轡をされていた。
舞歌も手を後ろで縛られているものの、気を失っているせいかそれ以外は拘束されていなかった。
「桜子さん。言ったでしょう?僕からは逃げられないって!」
後部座席には古川もいて、桜子や舞歌を監視するように見ていた。
桜子は懇願するような目で古川を見たが、古川は冷たく桜子たちを見ていた。
車はどんどん静岡市の北の奥へと進んでいた。
そして、車は山の中の大きな建物の前まで来た。
「ついたぞ。」
運転席の男が言うと、桜子は古川に誘導され車から降りた。
その直後、車の扉が自動的に閉まり舞歌を乗せた車が走り去ってしまった。
舞歌も一緒だと思っていた桜子は慌てたが、
「舞歌さんのことは、あの人に任せてあります。悪いようにはしませんから!」
桜子は古川のいうことなど信じられず、舞歌の身を案ぜずにはいられなかった。
目の前には、ペンションのような綺麗な建物があった。
古川は桜子を歩かせようとしていたが、縛られているとはいえ桜子はその場に留まり抵抗していた。
すると古川は
「桜子さん。逃げようとしても無駄です。ここは近くに何もないし、このまま山から脱出するなんて不可能です。冷静に考えてください。」
桜子はしばらく踏み留まったものの、そのうち古川に従って歩き始めた。
古川はポケットから鍵を取り出すと、ペンションを開けた。
中は皮肉にも、綺麗で豪華な造りのペンションだった。
誘拐ではない機会にここに連れて来て貰ったらどんなにいい気分だろう。
中には2階に向かう半円上の階段があったが、そちらではなく、一階の奥まったところに連れて行かれ、日当たりが悪く小さな窓のある奥の小部屋に連れて行かれた。
そして、桜子は猿轡を外された。
「ここは?」
「あなたは、今日からここで暮らすのです。」
「どういうこと?それに、舞歌をどうするつもりなの?」
「それは僕にも分かりません。あの人、大村さんが決めることです。それより、あなたは自分の心配をしなくていいんですか?」
桜子を見て不気味に笑う古川。
「何を企んでるの?」
・・・
その頃、山道を進む一台の車では・・
どれくらい時間が経っただろうか。
舞歌は目を覚ますと、知らない車の後部座席で後ろ手に縛られていた。
後日談:
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