
ある晩、精神病院での勤務中、先輩の看護師がトイレに入った際、不気味な気配を感じた。鍵のかかった個室からは微かな音が聞こえ、誰も出て来ないことに次第に不安を覚えた。ノックしても反応はなく、寒気が背筋を走った。
「何かいる…」と思い、恐る恐るドアの隙間を覗くと、黒い髪の毛のようなものが見えた。悲鳴を上げ、彼女は逃げ出す。すぐ近くの詰所へ駆け込み、同僚に助けを求めた。
彼女の話を聞いた看護師は二人でトイレへ向かうが、鍵は開いていた。誰も出た様子はなく、何もなかったかのように静まり返っていた。ただ、彼女は心の奥底で何かが起こったのだと感じていた。
その夜勤には新人の職員が加わっていた。彼は神社の跡取りだったが、反発して病院で働くことになった。霊感が強い彼が、病院のどこが危険かを次々と教えてくれた。
「この病院、ヤバいっすよ」と彼は笑いながら言った。だが、彼が言及した待合室の古い写真には悪寒が走る。
深夜2時、巡視の時間がやって来た。二人は小声で談笑しながら病院内を巡る。102号室を過ぎた瞬間、二人は足を止め、視線を交わした。
「ヤバイ」と心の中で思った。103号室からは異様な気配が漂っていた。目には見えないが、近づいてはいけない何かを感じ取った。だが、彼女は好奇心に負けてドアのガラス窓を覗く。
そこには、黒い影が広がっていた。「逃げよう!」と声を上げ、二人は詰所へと急いだ。103号室は最近、患者が何度も亡くなった場所だった。彼らは恐れおののく。
「塩、持ってない?」彼は真剣な顔で尋ねた。彼女はそんなものを持っているはずがなかったが、調理場から塩を借りて、彼が唱えるのを見守った。
彼は四隅に塩を置き、何かを呪文のように唱え続けた。「何が見えたの?」と彼女が尋ねると、彼は目を逸らしながら言った。「カーテンの後ろに…」
その後、どれだけの時間が経ったのか、彼女は耐えられずに尋ねた。「窓の外、何かいたの?」
彼は濡れた前髪をかき上げ、彼女を真剣な目で見つめた。「あのカーテンのところに、亡くなった患者たちが座ってたんですよ。」彼女は恐怖で凍りついた。連続して亡くなった患者が、その影響を引きずっているという話だった。
彼女はその後も時折金縛りに遭うようになり、彼との接触が自分に良くない影響を与えているのではないかと感じるようになった。彼女は、霊感の強い人とは距離を置くように心掛けた。あの晩の出来事は、彼女の心に深く刻まれることになった。
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