
若い頃から本や文学に親しんできた私は、最近、友人と一緒に古びた貸し倉庫を整理することになった。倉庫は私たちの家族が使っていたもので、懐かしい品々が詰まっていた。
その日は秋の夕暮れ、薄暗くなり始めた頃、私は本棚の奥にひっそりと置かれた一冊の本に目を留めた。表紙は摩耗していてタイトルが読み取れないが、何か惹きつけられるものがあった。
好奇心からその本を手に取ると、中に古い日記が挟まっているのを見つけた。日記は年月日が書かれておらず、ページも黄ばんでいる。ページをめくるごとに、まるで誰かの心の闇が伝わってくるような気がした。
その日記には、ある女性が自らの人生における絶望や孤独を綴ったもので、特に一つのエピソードが私の心に強く響いた。彼女は、友人に裏切られ、自殺を考えるようになったという内容だった。
その日記の最後のページには、彼女が自殺を決意した場所と、その後彼女を知る人々へのメッセージが書かれていた。
『もしこの日記を見つけたあなたに、どうか私のような思いをしてほしくない。私が選んだ道を引き継がないでほしい。』
私はその言葉に胸を痛め、日記をしっかりと本に戻した。友人にこのことを話そうか迷ったが、彼女にはこの重い思いを背負わせたくないと感じた。数日後、倉庫が新たに取り壊されることになり、私はその日記を思い出していた。
そして、友人にそのことを話した翌日、彼女が突然姿を消したと聞かされた。彼女があの倉庫に入ったまま帰ってこなかったのだ。後日、警察が倉庫の中を調べたところ、彼女の姿はどこにも見当たらなかった。
その日記は、誰かの運命を変える力を持っているのかもしれない。私もまた、あの本を手放すことができないでいる。彼女の思いを知った以上、何かをしなければならないと思っているのだが、果たしてそれが何なのか、私にはまだわからない。どこかで、あの女性の声が聞こえてくるような気がしてならない。
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