
これは、私が数年前にフリーランスのカメラマンとして活動していた時の話です。依頼を受けて、冬の晴れた日、横浜市の古いアパートの空き部屋を撮ることになりました。
そのアパートは築年数が古く、周囲は静かな住宅街でした。アパートに着くと、周囲はあたり一面の冷たい空気と、薄曇りの空模様が広がっていました。エントランスに入ると、部屋のドアを開けた瞬間、思わず息を呑みました。暖房が入っているはずなのに、異様なほどの寒気が背中を襲ったのです。
部屋の中は、薄暗く、まるで陽の光が届かないかのようでした。床には厚いホコリが積もり、古い家具が所々に置かれていました。その中に、一冊の古びた日記が目に入りました。好奇心に駆られ、私は日記を手に取りました。
ページをめくると、そこには過去の住人の日々の出来事が綴られていました。内容は平凡なものでしたが、最後のページには「今日は誰かが来る気がする」とだけ書かれていました。その瞬間、背筋が凍りつきました。
何かの気配を感じ、ふと振り返ると、ドアがゆっくりと閉まっていくのが見えました。誰もいないはずの場所で、確かに動いているのです。恐怖に駆られ、日記を戻して部屋を飛び出しました。
その後、カメラを確認しましたが、何も映っていませんでした。管理会社に問い合わせても、特に問題はないとの返事。しかし、あのアパートには確実に何かが潜んでいたのです。人の記憶が染み付いた場所は、意外にも恐ろしいものなのかもしれません。もう二度と行くことはないでしょう。寒さが身に染みるような、恐怖を感じた一日でした。
あの古い日記は何だったのか、今でも思い返すと恐ろしい思い出です。私の心の奥に、冷たい影を残したまま。
あの空き部屋には、いったい何がいたのでしょうか。人の思い出は、時に形を持ち、私たちを脅かすのです。
今でも、あのアパートのことを考えるたびに、背筋が凍るような思いがします。もう二度と、あの場所には近づきたくない。
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