
短編
階段に潜む
匿名 2日前
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もう5年ほど前からになるでしょうか。
夜に目が覚めるといつの間にか階段を降りたところにいます。
虚ろな目を開けて階段の上を見ると、そこには必ず子供が立っています。
子供は目を大きく開けて、身体をわなわなと震わせながら私の方を見つめてくるのです。
見慣れた光景に辟易しながら、私はリビングのソファで夜を明かすのでした。
ある日のことです。
その日は子供が2人立っていました。
いつもとは違う雰囲気に私は半ば興奮しながら、勇気を出して声を振り絞りました。
「君たちは誰?」
やや背の高い方の子供が強い口調で私に怒鳴りました。
「うるさい!」
大きな声を出されて呆然としてしまった私は、その場に立ち尽くしてしまいました。
すると背の高い方の子供がズンズンと階段を降りて私に向かって来るではありませんか。
背の高い方の子供は階段の中腹まで降りて来ると、勢いよく私に飛びかかってきました。
子供が階段から飛び降りてきたわけですから、私はその子をできる限り丁寧に受け止めた………
ここで記憶が途切れております。
そして翌る日の夜も、また同じ光景を見ることになります。
今回は小さい方の子供が1人で立っています。
子供は私を睨みつけていました。
そして彼は震える声で私に唸りました。
「お兄ちゃんを返せ」
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- そのふたりは兄弟でずっとそこに住んでて2人で1緒ずっとそうやって暮らしてたから離れたくなかったのかも。えむ