
その日の出来事は、今でも鮮明に思い出せる。
地下道で、私は数人の友人と楽しい時間を過ごしていた。周りの景色は薄暗く、古びたロッカーが並んでいる。どこか懐かしい雰囲気の中で、私たちは笑い合っていた。
しかし、ふとした瞬間、私はこの世界が夢の中なのだと気づいてしまった。
目覚める時が近づいている。そう思うと、心の中に少しの不安がよぎった。そんなことを考えていた矢先、周囲の雰囲気が一変した。
友人たちの顔が、徐々に不気味に歪んでいくのを感じた。彼らは私を見つめ、まるで私が禁忌に触れたかのような冷たい視線を向けていた。
そして、彼らは歩き出した。笑顔を浮かべていたはずの友人たちが、私に向かって進み、目には敵意が宿っている。
恐怖が私を包み込み、すぐにでも目を覚まさなければと思った。
その時、耳に残ったのは、私の名前を呼ぶ声だった。「千鶴、君は本当に夢から覚めたことがあるのか?」
その声は、友人のものだが、まるで地の底から響くように低く、冷たかった。
私は反応できず、夢の世界から引き離されていく。
目が覚めたとき、私は自分の部屋のベッドの上にいた。隣には、いつも通りの友人がスマホをいじっている。
「どうしたの? うなされてたよ」
彼の声は変わらず、私は安堵したが、夢の記憶は決して色あせることがなかった。
あれ以来、私は考える。
もしかしたら、今いるこの世界もまた、夢の一部なのではないかと。
そう思った瞬間、周囲の物たちが私を見つめ、今度こそ本当の恐怖を見せに来るのではないかと、心の中に不安が広がっていくのだった。
馬鹿げている、ただの妄想だと頭を振り払おうとするのだが、最近その思考が消えずに私を苦しめている。
夢の果てにあるものは、果たして何なのだろうか。
それを知った時、私はどうなってしまうのだろうか。
考えるほどに、恐れが増していくのだった。
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