
長編
からくり箱
匿名 2日前
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御神木とは違う別の木を蹴ったり、登ったりして、カブト虫やクワガタを見付けては、その大きさに驚いたり、歓声を上げて喜んだりした。
遊び疲れて境内にある石の椅子みたいな所に座ったり、社の中を覗いたりして一頻り遊んだ後、俺達は帰った。
帰り際、社の中を覗いてた幸太は、社の中の祭壇?みたいな物の板の上に乗っていた鏡や小さな綺麗な装飾品がついた箱があるぞと俺に言われ、俺も中を覗きソレを見た。
姉が好きそうな箱だった。
もう少し良く見たくて、社の扉に手を掛けたが、幸太の兄ちゃん達に呼ばれて、俺達は、家に帰る事になった。
その帰り道。
幸太が、「明日また来て、あの社の中見てみようぜ。」と言ってきたので、俺もウンウンと頷いた。
山の入り口まで来ると辺りはもうすぐ夕暮れ時で空がオレンジ色に染められつつあった。
俺達は、色々な話をしながら歩き、祖母の家に着くと、「また明日。」と言って家の中に入ろうとした時、幸太の兄ちゃんに、「今日、山の中に入った事は内緒だぞ。」と言った。
俺は、笑顔で「うん。」と返事をして大きく手を振り家の中に入った。
夕飯を済ませ2階に上がると、姉が寝泊まりしてる部屋の前を通り掛かった。
俺は、社の中で見た装飾品がついた箱の事を姉に話したくなり、「姉ちゃん、ちょっと入ってもいい?」と襖越しに声を掛けると、部屋の中から「良いよ~。」と明るい姉の声がして俺は、襖を開けた。
そして俺は、先にお袋達には内緒だと言って、山の中にある神社の話と社の中にあったあの箱の話をした。
最初こそ、山の中に入った事を少し咎められたのだが、社の中の箱の話をしたら、興味津々な感じで目を輝かせてた。
翌日、俺が目を覚まし1階に降りると、祖母だけだった。「お父さん達は?」と聞くと「お父さん達は町へ買い物に行ったよ。」と、少しのんびりとした口調の返事が返って来た。
朝ごはんを食べる様に言われ、俺は、食卓についた。
姉の姿も無かったが、どうせいつもの様に倉にいるんだろうと思い、対して気にしなかった。
祖母特製の酸っぱい梅干しを少しかじって、ご飯を口の中に放り込んだ時、外から幸太が俺を呼ぶ声がした。
箸を置いて、縁側の窓を開けて、「ちょっと待ってて。」と言いお茶碗の中に味噌汁をぶち混んで、口の中に流し込み、酸っぱい梅干しも食べてから、祖母に「遊んでくる‼」と言って玄関で慌てながら靴を履き家を出た。
この時、後ろで祖母
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- 面白かった‼早く続き読みたい!楽しみに待ってます!狐火