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短編
覗く側
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覗く側

2025年4月1日
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夜、俺はアパートのベランダに立ち、望遠鏡を覗き込んでいた。趣味の天体観測をするはずが、いつの間にか向かいのマンションの窓を見ていた。

ふと視界に、一人の男が映る。窓辺に立ち、こちらに背を向けている。スーツ姿で、まるで誰かと話しているようだ。

(電話でもしてるのか?)

好奇心に駆られ、ピントを合わせたその瞬間——

男がぴたりと動きを止めた。

そして、ゆっくりと振り向く。

望遠鏡越しに、男と目が合った。

冷たい汗が背筋を伝う。こちらが覗いていることに気づかれたのか?

次の瞬間、耳元で囁くような声がした。

「お前が覗く側だと思うな」

驚いて飛び退く。望遠鏡を倒し、慌てて辺りを見回すが、誰もいない。

恐る恐るもう一度マンションを見ると——

そこには、何もない窓があるだけだった。

男など最初から存在しなかったかのように。

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はじめまして、よろしくお願いします。

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